とある国のとある種族の話昔々、この国にはハーリガという生き物がいた。
熊のような大きい身体にヤギや羊のような角と垂れた耳を持った繊細で力持ちな生き物が確かにいた。
この国ではハーリガは、なぜかひどい扱いを受けていた。
特にニンゲンやエルフは、ハーリガをバカだと言っていじめたり、それをよしとしていた。
理由を聞いてもみんな首を傾げたり、理由になっていない理由を言ったりした。
だれもハーリガをなぜ嫌うのか、わかっていなかった。
それでもハーリガはこの国にいるしかなかった。他に行くあてもなかったからだ。
中にはハーリガをいじめない人々もいて、そういう人々は寄せ集まってなんとか楽しくやっていたようだった。
ある日、この国の偉い人とハーリガの偉い人がケンカをした。
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