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    224_miyano

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    お彼岸小話審「もうすぐお彼岸だね。お彼岸って何なんだろう」

    小狐丸「仏の行事とされておりますが。不思議なことに、その伝来元の天竺にも唐国にも、彼岸の行事は無いそうですよ」

    審「…え」

    狐「あの世とこの世の門が開く日、とも言われますな。古来、この国には太陽を祀る祈りがあった。そして夏の太陽から冬の太陽へ。昼と夜の長さが丁度同じになる年に二回のこの日が特別とされたのです」

    審「あの世と…この世の門が開く…?」

    狐「あの世とこの世の境界は存外身近なものです。それは普段通る橋であったり辻であったり。これは場所によるものですが、時に由来するのが彼岸であると言えます」

    審「…彼岸の日は、何が起こるの」

    狐「何も起こりませぬよ、ぬし様。いつも通りふるまって、おはぎをお供えすればいいのです。先祖供養の日ですから、参るお墓があるのならば行くと良いでしょう」

    審「そういえば…桑名江が彼岸花について何か言ってたな…なんだっけ」

    狐「桑名江?…ああ、彼岸花の根は飢饉の時の食料ともされましたからな。毒によって田畑を守る故、またの名をキツネソウ、と言ったものです」

    審「キツネソウ」

    狐「キツネは悪いネズミを捕るものですから」

    審「成程」

    狐「…そういえば、あれが励起可能になった日―…というのはそのあたりでしたな」

    審「…9月24日だね」

    狐「ほう。その前日の9月23日は秋分…昼と夜が同じになるその日ですな」

    審「門が開いた日…」

    狐「その門、というのは何でしょうな、ぬし様。あるいは黄泉平坂の道を塞いだ塞の石…」

    審「イザナギとイザナミによってあの世とこの世の分かたれた日…?」

    狐「かつてあの世とこの世は地続きでしたから」

    審「あれによって地上は生者の国に、地下は死者の国となった…」

    狐「黄泉の国、ですな」

    審「黄泉の国への門が開いた日のあと…やってきた桑名江は…」

    狐「………」

    審「……大地と語る」

    狐「さて、あまり踏み込み過ぎると見失いますぞ」

    審「……」

    狐「一日の境界、彼は誰時にはあの世の者も混ざるといいますゆえ」
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    ねむおか

    DONE1月の次五です。
    箸休め回です。ご飯作ったりお参りしたり、いつもと同様、ただ緩くてラブい次五です。12月のお話とつながっている部分もあるのでこれだけ読むと少し「?」かもです。すみません。ぱろくで出てきた単語から浮かんだものが出てきますが、こちらの連作は特段ぱろくを想定して書いているものではないので、お読みいただく際はご自身のお好きな次五ちゃんで想像いただけますと幸いです。
    一月は凪 年が明けてまだ間もない時刻、アジトにはいつもの四人が顔を揃えていました。
     五右ェ門の打った蕎麦で年越しをすると聞きつけ、珍しく年越しの時間を共に過ごした不二子でしたが、美味い蕎麦で満たされ次元の揚げた天ぷらに舌鼓を打ちルパンとっておきの酒で程よく良い気分になり、後は寝るだけです。
    「泊まっていけばいいじゃねぇの」
     呂律の怪しいルパンが留めるのも聞かずに、不二子はあっという間に帰り支度を整えてしまいました。
    「またね」
    「またねって···つれねぇんだからなぁ。もう。だったらタクシー拾うところまで送らせてくれよな」
    「ならば、拙者も行く」
     五右ェ門からの珍しい申し出に、不二子はブーツに足を通しながら尋ねました。
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