舞台設定
この世界の人間はみんな魔法を使えるけど、だいたい1人につき1つ。
どんな魔法が使えるかは個性(遺伝することもある)
ので、普通に科学が発達してる。
軍隊もあるし、武器も発達してる(軍事的に魔法を使うには種類も出力もバラバラで使い物にならない。それよりも訓練で統率の取れた軍隊を作った方が普通に強い)
豊前の住む街はシチリア島みたいな地中海ヨーロッパの街並み
でも日本語。人種も文化も入り混じった港町。
■豊前
魔法:『加速』
『目に見えないほどの』スピードを出すことができる。
脚力そのものを強化しているわけではなく、風圧やその他の物理法則も無視して猛スピードで移動できる。消えるわけではないので壁をすり抜けることは出来ない。
豊前に触れているものも魔法の庇護膜につつむことが出来るので、人や物を抱えての移動も可能。
街に住む青年。配達のバイトをしつつ弟分の学費を稼いでいる。
夜は魔法を使い人知れず『ストレンジャー』として治安のそこそこ悪いこの街で、正義の味方業を行っている。
弟分に篭手切がいる。
思い出せない記憶がある。
コーヒーは飲めないが甘いカフェラテだけはなぜか行ける。
■篭手切
魔法:『召喚』
無機物・生物を問わず、マーキングしたものを空間に作った輪から自由に取り出したり指定した場所にしまったりすることが出来る。取り出すにはマーキングが必要なのと、一度に取り出せる質量には限界がある。
篭手切の魔力量では人間は一日に1人しか召喚出来ない。
豊前と一緒に行動するときは、倉庫に隠しておいた銃や弾丸を取り出してサポートする。
豊前の弟分。
実家は名のある魔術師の家系。(この世界では特に力の強い魔法を持つ家系を『魔術師』と呼ぶ)
召喚術は代々受け継がれてきたもの。
魔術師の家を継ぐことに反発し、すていじに立つという夢を追いかけてこの街に来た。
豊前は篭手切の夢を純粋に応援しているが、学費まで払わせるわけにはいかないと思っている。
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フェアリーテイル→魔力を一時的に高める花の名前。依存性がある。
フェアリーテイル……人気半獣人ユニットの名前。和装をした舞と歌声で絶大な人気を誇る。
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【謎の黒服三人】
■大典太
魔法:使い魔(ゴーレム)の作成
木や石に魔法をかけゴーレムとして操ることができる。
ゴーレムは大典太が魔法を解くまで自立して行動する。
戦闘や囮など、応用範囲の広い魔法。
三人組のボス。
水心子に慕われている。
その風貌から怖がられているが、本人はあまり表に出たくはないらしい。
小鳥が好き。だが魔力が強すぎて小動物はみんな逃げてしまう。
その正体はとある国から派遣された非公式のエージェント。
兄弟にソハヤという結界魔術師がいて、彼は国家鎮護の最高位の魔術師の一人でもある。(国家鎮護の魔術師は他に物吉貞宗などがいる)
大典太は強すぎる自分の魔法が兄弟の邪魔になると考え、影の存在として身を潜めていた。
■水心子正秀
魔法:『時空転移』
転移と言っても自分の身体ごと飛ぶことは出来ず、精神が身体から離脱した状態で過去・未来、場所を問わずに移動できる。
制御出来たら未来予測も過去の真相を見ることも可能なのだが、制御が全然できておらず、どこの時代のどの場所に飛ぶのかはランダム。よって本人はこの能力を使えない……と思っており、長らく封印している。
過去や未来の惨劇の現場に飛ぶこともあり、そういった場合の精神的ダメージは計り知れない。
なお、今のところ過去・現在の飛べる幅は数十年~数百年となっており、例えば恐竜時代に飛んでしまうことはない。
そして未来に関しては現在の行動によって分岐することも無限にあり、『あったかもしれない未来の一つ』でしかないので、能力がコントロールできるようになっても未来予知とまではいかない模様。(可能性を知ることは出来る)
飛んでいる最中、体の方は眠ったような状態になっている。
三人組最年少だが、ボスとの付き合いは長い。彼もエージェントの身分を持っている。
祖国には清麿という親友がいる。自分の魔法のことを話しているのはボスと清麿、後に心を開いた桑名にだけ。
生真面目だが好奇心旺盛。正義感にも熱い。純粋に祖国を想ってこの活動に身を投じている。
■桑名
魔法:『治癒』
生けとし生きるものの治癒が出来る。水を浄化したり、大地の解毒も可能。
治療と言うよりは「生物にとって生きる環境を整える」魔法と言うのが正しい。ただし魔法の効果は一時しのぎにしかならず、荒野を開拓するのは根本的な灌漑工事や地質の改良が必要とのこと。
治癒の応用で『癒し』、一時的に闘争心をなくし和やかな気持ちにさせることも可能。
黒服として大典太の元に最近加入した。
自分の魔法のことは伏せており、水心子同様『使えない』と言っていた。
水心子の負傷の際魔法を使い、その特性が判明する。
治癒の能力者は比較的多いとはいえ、その需要の高さから誘拐されることもあり、この世界の国営病院に勤める高度な治癒能力者は厳重に守られている。
桑名の場合汚染された土地の浄化・再生能力という特殊性から、国家によって一生を管理されてしまう可能性を考え、育ての親の蜻蛉切がその存在を隠したまま育てており、桑名にその能力を他言しないように厳しく言っていた。
10年前の軍用機が街に墜落した事故で家族を亡くし、その時に能力を発現。
桑名も致命傷を負ったはずだが魔法の発現によって死を免れた。
事故処理に訪れた軍人の蜻蛉切が孤児となった桑名を引き取って育てたのだが、桑名は事故以前の記憶を無くしていて蜻蛉切のことを本当の親のように慕っている。
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■松井
魔法:『パラサイト』
血を媒介として他人の精神を一定時間乗っ取ったり、洗脳したりすることができる。
この能力は代々受け継がれており、そのために松井の一族は『吸血鬼』と恐れられた。
魔術の名門・篭手切の家とは分家の関係に当たる。
能力の発動条件は相手の血を飲む(舐める)か、自分の血を飲ませるかのどちらか。
精神を乗っ取っている間も本体の意識は別にあり、乗っ取った相手の視角を共有して覗き見たりもできる。また、プロテクトの掛かっていない記憶なら読むことができる。
さらに相手の血を飲むことで相手の魔力を自己治癒に充てることも可能。
能力とは関係なく、血を見ると興奮し、魔力量も上がるという性質を持つ。
豊前と桑名の幼馴染。
能力の発現前から一緒に遊んでいた仲間。
10年前、楽しくてまだ帰りたくないねと言った桑名に、「怒られるからもう帰らないと」と言って解散したその直後、桑名の家に軍用機が墜落する事故が起きた。
自分たちが桑名を帰さなかったら桑名だけでも生きていたのでは、と思った松井は、豊前の血を飲み、豊前の記憶から桑名の記憶を消した。
その後、家族とともに街を離れ、桑名のことと豊前のことに罪悪感をずっと抱いていた。
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■蜻蛉切
軍人。10年前、まだ新兵だったころに事故の処理にあたり、桑名を発見した。
魔法:『一刀両断』
触れたあらゆるものを両断する魔法。あまりにも危険なため、武器の槍に魔力を封印している。
代々軍人の家系で、その家に生まれた男子は名誉の戦死を遂げることがほとんど当たり前のようになっている。
軍内部のことをよく知る蜻蛉切は、自身の致命傷を治癒した桑名を見て、『この力が人に知られればこの子は一生自由には暮らせない』と思いその能力を隠して育てることにした。(後に治癒よりももっと希少性の高い魔法の正体を知ることになる)
自分の信じた軍が、自国の幸せな家庭をまるごと奪ってしまったことの罪悪感からでもある。
桑名には魔法を人前で使うなと言い、軍人として厳しく鍛えた。
桑名が成長した頃、蜻蛉切は親戚である村正を追って行方不明になってしまう。
そのことが桑名が黒の組織に入るきっかけとなった。
■村正
蜻蛉切の親戚。国を揺るがすほどの黒魔術師と言われる。
魔法:『分身』
自分の全身および体の一部を、魔力量の許す限り増やせる。
魔力量が膨大すぎるあまり、軍の一個師団とも戦えると言われたが、本人曰く「噂ってすぐ大きくなるんデスねぇ」とのこと。
魔力が澱んだことにより、自身のコントロールが効かなくなり、行方をくらませたとされる。
蜻蛉切が彼を追って行方不明になった。
桑名は独自にそれを調べ、二人を取り戻す術を探している。
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物語はフェアリーテイルをめぐる豊前と黒服三人の物語が中心で、それが解決してから江で村正派を探す旅の物語になる感じ……??