逢瀬五条先生が獄門疆に封印されてから約1ヶ月がたった頃。
日が沈み、呪霊の出現も減った深夜帯。
脹相は日々呪霊と対峙し、寝る時間も少ない悠仁が気になっていた。
目の下には若干隈ができ、以前の生活とは180度変わってしまった。
呪霊が暴れ廃墟と化した繁華街の外れ、窓ガラスの割れたドアも無い高層ビルへ入り、もう寝ろと声を掛けた。
「でもいつ呪霊が来るか分かんねぇじゃん」
「なら外で見張ってる。数時間でも良いから寝ろ」
先程道すがら服屋であったであろう店から拾ったジャンパーを悠仁に投げる。
「寒いだろうから着て寝ろ」
「…分かった。起きたら替わる」
横目でこちらを見ながら脹相は外へ足を向けた。
その姿を視界の端で捉えながら横になり、ジャンパーを上に掛ける。
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