回遊する蓮花早朝五時半起床、簡単に身支度を整えランニングウェアへと着替えるとラベンダー色のイヤホンを耳に。端末を操作してお気に入りのプレイリストを流したら、未だ寝静まったままの家を静かに出た。
早朝にランニングをして、余裕があれば素振りをして、朝ごはんを食べて。
そうしてみんなが起きてくる頃には部屋に引っ込む。
それが『俺』のモーニングルーティンだ。
誰が好き好んで針のむしろに座っててやるか。
なにしろ、どんなに取り繕おうとしたって家族全員に見破られるのだ。
だから、部活の練習がない日曜日は俺にとって酷く退屈で、ただただ勉強をして大人しく過ごす物足りない日だった。
だからこそ、曦臣との待ち合わせは早い時間帯にした。
10時に駅で待ち合わせようと約束したのは、毎日送り迎えのついている曦臣が電車を使ったことがないだろうと思ったからだった。
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