うそからでたまこと。またはまことからでたうそ 後から考えれば、だが。
深く高く敬愛し慕う、我らが真選組局長近藤勲の言葉は沖田総悟にとって青天の霹靂ならぬ曇天に差す光であったと言えるのかもしれない。
「お前たち付き合ってるのか」
珍しく幹部三人で連れ立って向かったファミレスで、食後のデザートまで楽しんだあと、妙にそわそわとした様子の近藤が小さく、それでも興奮を抑えきれないといった声でとんでもないことを言った。
近藤の向かいに座った土方は上手く紫煙が吐き出せなかったのかゲホゲホと咳き込む。沖田の方はというと、何を考えているのか分からないまるい瞳のまま、こてりと首を傾げた。
砂色の髪に覆われた彼の頭の中は残念ながら空っぽで、つきあうという字を上手く脳内変換できていない。パッと思い浮かんだのは突き合う。職業柄とも言えるかもしれないが、突き合ってはないなぁ、突かれているだけだなぁという方向に思考がいってしまったので、ただの下ネタだった。
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