ここは犯罪都市ゴッカムシティ。
マッドクオッカと呼ばれるもっとも大きな犯罪組織と、若者を中心にあつまったイマニタスという新興の民兵組織。
冷たい火花を散らしてふたつの組織が勢力争いをつづけるなか、金を集めることしか関心のない頭からつま先まで腐った政治家と賄賂なしでは動かない警官どもは静観を決め込み、犯罪者をのさばらせ続けるのだった。
どこにも属さない市民たちは、ただ震えて夜は固く扉を閉め、暴力が扉のすきまから忍び寄ってくるのを防ぐ。だが凶暴な集団は窓を割って扉を蹴りとばし家まで略奪にやってくるのだった。
無辜の民たちの阿鼻叫喚は今夜もやむことはない――
そしてまた狂騒の夜が明け、倒れたひとびとや吊るされた人間を肥ったカラスがつつく脇をゴミ収集車がはしっていく。
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