祭りに行った話「お祭り行きたい」
アキラらしい、次のデートのリクエスト
準備は万端だと、実家から送って貰ったという浴衣を笑顔で見せてくる
二人揃って着付けを済まし、夕暮れの街に繰り出した
早く早くと呼ぶように遠くから聞こえるお囃子に急かされるように、カラコロと下駄の音を響かせるアキラの後を追う
フランクフルトにかき氷、フライドポテトにリンゴ飴
屋台の立ち並ぶ大通りで、ニコニコ顔のアキラは次々と屋台の品々を買い、手にしてゆく
「食う?」
差し出されたかき氷をひと匙、ふた匙頬張れば
「お揃い」
と、着色料で染まった舌を見せて笑う
愛おしい、触れたい、と心のままに目についた暗がりに引き込む
「!? 〜〜ん! っぁ…ブラッド…」
顔を赤く染めたアキラが息絶え絶えに抗議の目線を寄越す
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