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    COMOYAMA

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    COMOYAMA

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    俺様の部屋 のおまけ

    ##小説

    執事がてきぱきと主人の部屋を片付けている。テーブルの上に放り出されたままの道具や材料をまとめ、脱ぎ捨てられた服をたたみ、靴を揃え、ベッドのシーツもシワひとつなくピンと伸ばした。夜分になってしまったが、なんとか間に合って一息ついたところに主人が戻ってきた。

    「アリトン、ただいま。片付けありがとう」
    「おかえりなさいませ、ソロモンさ、…ま…?」
    「?」

    戻ってきた主人は、寝間着の上に見慣れないガウンを羽織っていた。

    (そのガウンはあの方がかけてくれたのでしょうか、心遣いですね。というか、寝間着で行ってよく戻ってこられましたね…?ソロモン様は今日は雨の中のおでかけでお疲れだったから、遠慮されたのだろうか。そういう分別はお持ちと、いや意外…。)

    と、口に出されても主人は困るであろうとアリトンは一人思案した。

    「ええと…アリトン…?」
    「いえ、なんでも。明日も朝はお早いのですか?」
    「かな。あ、自分で起きるから明日はいいよ」
    「かしこまりました」

    窓の施錠を確認してカーテンを締め、最後に一礼する。

    「ではおやすみなさいませ、ソロモン様」
    「ああ、おやすみ」

    執事が静かにドアを閉めて行った途端、

    「…はぁああーーーっ…」

    今まで息を止めていたかのように吸って吐いた。普通にしていられただろうか、顔は赤くなかっただろうか。両手で自分の頬を触ってみてもわからなかった。

    ベリトの部屋を出る際、「着ていけ」と後ろからガウンを羽織らされ、ぎゅっと抱きしめられた。ソロモンはまた目が合わせられなくて、うんと返事だけして逃げるように後にしてきた。明日の朝、どんな顔をして起こしに行けばいいのだろう。

    ガウンを脱いでベッドに座る。持ったまま眠りたいけど、ダメかな。ふと、あのまま体に触れるベリトの手を受け入れていたらと考えた。

    (そしたら、今頃は…)

    あの部屋でもらった感触や熱を思い出してまた恥ずかしくなってきた。ろくに視線も合わせられずに、揺れる青い髪ばかり見ていた。こんな態度をとっていてはいつか呆れられてしまうのではないかと怖かった。そもそも、ゲームのことなんて明日でも良かったのに、部屋に押しかけてまで顔を見に行ったのは自分のくせに。

    (子供だ。俺は)

    じわじわと熱くなる目頭を押さえながら、ソロモンはしばらく座ったまま、ひとり拗ねていた。
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