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    Elisabethg0328

    @Elisabethg0328

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    Elisabethg0328

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    ①仔犬リが風邪引いたはなし(ヌヴィリオ)

    注意:鼻水吸う描写
      :なんでも許せる方向け

    わんこのリが時々仔犬になってしまう設定。
    普段はいつもの大人のリだけど仔犬の時は子に感情が引っ張られてしまうので幼いみたいな

    かぜっぴきのこいぬ くしゅん、と小さくくしゃみをしたのは昨日の事だ。ずる、と鼻を啜り、仄かに赤い顔をしていたのを見てからの行動は早かった。シグウィンを尋ねて様子を見て貰えば季節の変わり目だから、と風邪の診断を受けた。消化にいいものを食べて、沢山眠ったら良くなるのよ、と言われて薬を処方してもらい、一応熱が出た時用にと、解熱剤もくれた。
     幼いリオセスリへ何が食べたいかと聞けば、普段と同じように答えていた彼だったが、その様子が変わったのは夜中……明け方頃のことだった。
     
     きゅうきゅう、と情けない鳴き声に目を覚ます。腕の中がやけに熱くて、ヌヴィレットは視線を下げた。
    「リオセスリ殿?」
     は、は、と呼吸が荒い。熱も上がっているようで汗をかいていて寝間着がしっとりとしていた。
    「ぬい、え、ぉ、あ」
     ず、と鈍い詰まった音がする。鼻が詰まっているようで、口で呼吸を繰り返している。ぎゅ、ぶぶ、ぶ、と鼻が塞がって呼吸に変な音が混じり、耳は伏せて、いつも元気よく振られている尻尾はだらんとしていた。
    「のろ、いらい」
    「水を持ってこよう、飲めそうだろうか」
    「う、ん」
    「いい子だ、少し……」
     ベッドから下りようとして服を掴まれた。小さな手が、ヌヴィレットの寝間着を掴んでいる。ず、ず、と鼻を鳴らしながら。
    「リオセスリ殿、」
     どこに行くんだと言わんばかりに睨まれる。熱があるせいか、幼いその目は潤んで泣いているようにも見えた。
    「水を取りに行くだけだ」
    「やら」
    「すぐにもどるゆえ……」
     ぶぶ、ぶ、と変な唸り声がする。鼻が塞がって空気が通らないらしく、呼吸が詰まって咳き込み、はっきりとした声でリオセスリが声を上げた。
    「いや」
     そういった彼の目からぼろ、と涙が零れて落ちていく。一度零れ始めれば止まらないようで、シーツにじわじわと滲ませていく。どうしたら、とほとほと困ってしまい、ふとベッドサイドの椅子にかけてあったカーディガンが目に入った。手を伸ばし、サイズの大きいそれでリオセスリを包むようにして巻き、大事に抱き上げる。
     腕の中の彼が熱い。起き上がらせれば途端に鼻水が出るのか、ず、ぶ、ぶ、と変な音が聞こえた。ティッシュを持ち、鼻をかませようとしたが上手にできないようで、ぶうぶうと鼻が鳴る。口で呼吸を繰り返すせいで喉が痛むのだろう。顔を真っ赤にさせて、鼻で呼吸できないせいで喉を痛めている姿があまりに痛々しい。楽にしてあげられたらと思い、ヌヴィレットがリオセスリの鼻先に口付けた。そのまま濡れた鼻下を舐めれば、リオセスリの身体がびくりと強張るのを感じた。それから、小さな鼻を食み、じゅる、と吸った。
    「!?」
     びく! と先ほどより大きく反応してリオセスリに身体を押される。いやだ、やめてくれ、と言いたげに暴れたのもお構いなしに吸い、唇を離した。
    「息が出来るようになったか? リオセスリ殿」
     良かれと思ってしたことだったが、完全に硬直してしまったリオセスリへ首を傾げる。心なしか熱も少し引いているように見えて、リオセスリを連れて、ヌヴィレットはゆっくりキッチンへと向かっていった。

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    sika_blue_L

    DONE幼なじみ345で5だけ♀。三十歳になってフリーだったら結婚しようって言わせたかっただけなのにこんなに膨らんだ
    十二年後の君たちへ 初めて彼氏が出来たのは、高校一年の夏だった。
     
     蝉の鳴き声が一層喧しい夏休み前の放課後、呼び出されたのは日陰になっている校舎裏。噂で聞いた話だが、どうやらそこは定番スポットというやつらしい。
     
     こんなことを言いたくはないが、正直なところまた?というのが感想だ。目立つ容姿をしているのは自覚している。
     
     肩甲骨まであるゆるくウェーブのかかった髪、甘い印象の垂れた目じり、形の良い桜色の唇。あまりいい思い出はないが発育もそれなり。生まれた瞬間から、今まで片時も途切れることなく可愛い可愛いと他者から愛でられて生きてきた。
     
     雪宮剣優は可愛い。かなり可愛い。これは嫌味でもなんでもない。事実そのもの。
     
     これまでに、容姿をめぐった人間関係のトラブルは色々あった。一悶着どころの話ではない。特に思春期が花開く中学時代。地獄をくぐり抜けてきた、と言っても過言でない。仲の良かった友人から、好きな人を取った、信じてたのに! なんて難癖を付けられたのも一度や二度のことではない。箱を開けたら、日直で話したことがある男子生徒が私のことを好きだと友人に打ち明けた、ただそれだけのことだった。私に非はないと訴えるも、ティーンの恋は盲目。彼女とは縁が切れ、卒業するまで不快な居心地の悪さを覚える羽目になった。
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