キス企画!?②シュウペイとキスすることは、特に何とも思っていなかった。
もともとBL漫才もやっていたし、俺たちの漫才の形式的にも、特に偏見なくやってきたつもりだ。
相方のことは信頼しているし、家族みたいなものだし。
昔からカッコイイと思っていたから、自分好みの顔の奴とキスするのは、好みじゃない奴とするより悪くないだろう。
それに仕事だ。芸能人1年目で仕事は選んでいられない。1番大切な時期だ。
だから、本当に何も気にしていなかった。
「さて、それではぺこぱの番です!」
司会者に呼ばれ、前に出る。
シュウペイが嫌がっていることは知っていた。
長年一緒にコンビを組んでいるんだ。
空気で分かる。
でも、しょうがないじゃないか。
今の俺たちに仕事は選べないんだから。
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