ワンドロ【髪型】【衣替え】 正直に言って、グッときた。
「……視線がうるさいんだが」
見つめていたのはバレていたらしい。視線を逸らして見ていませんというポーズを取り繕ったところで、この男を誤魔化せるはずもなかった。
「気のせいじゃないか?」
「まさか。俺に気づかれたくなかったのなら、もう二歩、右にずれるといい。そうすれば俺の視界の隅に君が映らない。その代わり、鏡に君の姿が映ることになるだけだが」
「それじゃあ意味ないだろう」
後ろ手に組んでいた指先を擦り合わせる。カーヴェが身に纏っているのは着慣れた白いシャツと、黒色のズボンだ。対してドレッサーの前に座らされているアルハイゼンは、黒が基調の縦ストライプが施された背広を纏っていた。
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