守ってあげたい 一時限目の始業まであと数分、授業への出席に乗り気でないフロイドは廊下を気怠げに歩いている。くわぁと大きなあくびをしたとき、壁にもたれかかる小さな背中がふと目に入った。それは監督生の背中だった。
つい最近監督生への恋心を自覚したフロイドは、その姿を目にした瞬間心臓をぴくりと跳ねさせたが、それが気恥ずかしくて頭の後ろに手をやり髪を撫でて気を紛らわす。
だが、監督生に会えたことは素直に嬉しかったのでフロイドは気を取り直して声をかけようと歩き出した。しかし、よくよく考えてみれば、真面目な監督生が授業開始間際にこのような場所にいるのも、いつも一緒のグリムやエース、デュースがそばにいないのもおかしなことだ。
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