ポッキーゲーム 誰が言い出したのかは覚えてない。
自習の時間、11月11日という日付に合わせて面白半分で始まったポッキーゲーム。
クラスみんなは、やいのやいのと楽しそうに笑っている。
両端からポッキーを際どいところまで食べ合うチキンレースのようなゲームだ。
次は誰がやる?
囃し立てるクラスメイトを千歳は呆れ顔で見守っていた。
何が面白いのかしら。
一歩間違えたら相手の唇に触れてしまう。
キスを神聖なものだと考えているロマンチストな千歳には、このゲームの趣向が理解できないのだ。
そのギリギリが面白いのだと、先程、サングラスをかけたクラスメイトに言われたが、全く持って理解できない。
「じゃあ、次はわぴこちゃんと葵ちゃんで勝負ねー!!」
4179 chars