hino_alkTRAINING英つむ(……と言い張る)Blue bird from the sky. 空が、青い。 清々しいまでの秋晴れにぽっかり浮かぶ丸い雲の群像。いわゆるひつじ雲がのんびりと視界の端で揺れている。地上からはゆっくり流れていくように見えて、きっと上空では強い風が水蒸気の塊を押し流している。 俺たちは自分たちの目に映るものしか知覚できない。そして、それを現実だと認識してしまう。まるで人の心のようだ。裏腹なんて言うけれど、そんなもの目に見えない。言葉に、文言にしなければ伝わらない。伝えきれない。そうやってもどかしいものが俺たちを時に苦しませ、悩んで、乗り越えてゆくもので。 なんだか懐かしいなぁ、と思う。 上空の大気に押し流されて、消えないように必死で、群像になっているあれは過去の俺たちのようで。それを眺めている今の俺は地に足をつけていて。きっと俺たちの葛藤も苦しみも、他人からみたらこんな光景だったのかなと、少しだけ遠巻きに考えることが出来るようになったのかもしれない。 とはいえ、今は今で地上(ここ)が俺の現実で呑気に空を見上げる暇なんてほとんどないのだけど。オフィスの椅子に深く腰掛けてぐったり背中を預け 1403 1