ボツになったばぢ家としんいちろおの修羅場話▼
わかめご飯、からあげ、冷食の焼きそば、それに小さいうずらの目玉焼きが乗ってて、隙間を埋めるレタスやトマトやウインナー、公園のベンチで弁当を開けた圭介は、ため息とも笑いともとれる吐息を漏らした。
気の強い母の、ご機嫌取りみたいな弁当。箸も使わないで冷めたからあげをひとつ齧って、また蓋を閉じた。
『途中で帰ってきていいから、少しくらい出席してきなさいよ』
今朝言われたのを思い出して、圭介は傷んだ金色の毛先を弄りながらイライラするままに地面を蹴った。跳ねた小石がサンダルの中に入って余計に苛立ちが増すばかりだった。
「あっちぃ」
自販機の前に歩くまでにも、出しきれなかった小石が足の裏にチクチク刺さって、飲みたかったやつに10円足らなくって、やってらんねーと自販機の下にしゃがみ込みながら惰性で選んだジュースを流し込んだ。
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