キョン!風俗行くわよ!キョン!風俗行くわよ!あんたもたまには発散しなさい!」
「え?いや、今日はちょっと」
「なに?私とじゃ嫌だって言うの?」
「そういう訳じゃないけど……」
「ならいいでしょ。さっさと行くわよ!」そう言って俺の腕を掴んで強引に引っ張って行く。
「ちょ、待てよ!腕を引っ張るなって!」
「ふん!」
全く……そんなに怒らなくてもいいじゃないか。でもまぁ……せっかくだし、たまにはこういう日があってもいいか。俺は諦めてそのままついて行った。
「ほら、早く入りましょう!」
「はいはい」
そして俺達は店内に入った。
「おぉ〜、凄いな……」中に入るとそこはまるで異世界だった。薄暗い照明が雰囲気を醸し出し、様々なコスプレ衣装を着た女性達が接客をしている。
「あら、初めて見る顔ね?どうぞごゆっくりして行ってください♪」
そう言いながら女性は席まで案内してくれた。そしてメニュー表を手渡される。
「へぇー、色々あるんだな〜」
そこにはバニーガール姿の女性の写真が載っていた。
(こんな格好で客の前に出るなんて恥ずかしくないのか?)
そう思いながらもページを捲っていく。すると気になる見出しを見つけた。それは『この世で一番美しい女』という文字だった。そのページを開くとそこに載っていたのは1人の女性だった。白い肌に整った顔立ち。長い黒髪。しかし彼女は笑顔ではなく、悲しげな表情をしていた。