いつだって、あなたにベタ惚れ。「すまない司くん。ちょっといいかい?」
「ん?どうした、類?」
練習終わりの更衣室。
既に着替え終わった類が、思い出したようにオレに話しかけてきた。
「今日はちょっと用事があってね。一緒に帰れないんだ。すまない。」
「ん、そうなのか。まあ気にするな!」
「ありがとう。それじゃ僕はお先に」
そう言うと、スっとオレを抱きしめてくる。
そのままオレの額にキスを落とし、頭を撫でてから、立ち去る。
…………顔を真っ赤に染めた、オレを残して。
----------------------------
類と付き合うようになってから、早数ヶ月。
オレは、ある悩みを抱えていた。
それは、類が全く照れないことだ。
類は、いつだって余裕で。
学校なんかでは何時も通りだけど、二人きりになった途端、オレのことをとても甘やかしてくる。
5640