Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    shinashi_natuka

    @shinashi_natuka

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 33

    shinashi_natuka

    ☆quiet follow

    「自分の恋人がウザイ」というモブ男達の会話を聞いてしまったつばさちゃんが、色々不安になる話……のエア新刊サンプル風供養。
    CPは龍つば、帝つば、健つば

    書こうとしても……上手く書けなかったんだ……
    供養させてください……

    つばさは、人一倍聴覚が鋭い。それが故に、聞こえなくてもいい会話が聞こえてしまう時がある。
    「うーわ、もう少しでアイツの誕生日なの忘れてた……面倒臭ぇ……」
    そんな、同僚の男性達の会話が聞こえてきたのは、丁度昼休みの時だった。最初は、なんてことのない会話として気にも止めていなかったのだけれど。
    「つーかさ? あいつめっちゃウザイんだけど」
    「まぁた彼女の愚痴かよ。懲りないねぇ、お前らも」
    雲行きが怪しくなってきたのは、そんな会話が聞こえてき始めた頃からだっただろうか。方やお互いの家を行き来する関係のカップル、方や同棲中のカップルらしい、そんな二人の会話。自分の恋人のどんなところが面倒臭いとか、こういう行動が嫌いだとか、嫌でも聞こえてきてしまう。
    「四六時中ベタベタ触ってきやがって……こっちは、疲れてんのにさぁ……」
    とか。
    「まあ……さすがに、夜遅くまで電話とかJOINに付き合わされるのは勘弁だよなぁ」
    「だよな。なんも用がねぇならかけてくんじゃねぇっての」
    とか。
    「なんつーか、相談っていう名の愚痴が長いっつーか……疲れて嫌な思いしてんのは、そっちだけじゃねぇっての」
    とか。
    話を聞いていく内に、食べていたクロワッサンが段々と喉を通らなくなってくる。何故か、その理由は簡単で。彼らが『うざい』や『面倒臭い』と言っている行動を、〝彼〟にしてしまっているからだ。自分の行動を省みて、サッと背筋を凍らせる。〝彼〟にも、『うざい』とか『面倒臭い』とか思われてしまっているのだろうか。そんなことは一言も言われていないけれど、〝彼〟は優し過ぎるから言わないだけかもしれない。言えない、のかもしれない。
    (だとしたら、とてつもなく申し訳ないことをしてしまってるんじゃ……)
    優し過ぎる〝彼〟に、少し……いや、かなり甘え過ぎてしまっているのは自覚している。それで、愛想を尽かされてしまったらなんて、考えたくもない。
    これは、今すぐにでも直さなければいけないのではないのだろうか。
    由々しき事態に直面し、つばさは静かに決意を固めた。

    ~*~*~*~
    龍つばの場合
    モブ男達の話を聞いて以降、女の子慣れしてない野目さんに触れすぎて嫌われてしまうことが怖くなっちゃったつばさちゃん、過度に触ることができなくなってしまう。ある晩、酔った野目さんが部屋を訪れてきて───

    (以下抜粋)
    アルコールの匂いを纏う龍広の体は、どう頑張っても離してもらえそうになかった。
    「龍広さん……? あの、どうしたんですか……?」
    「…………」
    尋ねても、何も返事はない。顔を見ようにも、肩口に埋まっていてよく見えなくて。気分が悪いのであれば、介抱も何もできないのだけれど。しかし、体を押し返そうとしても力が強く逃れられない。
    「あの、龍広さん……? 離していただかないと、なに、も……」
    そう、言った途端。背中に回る腕の力が強まり、息が苦しくなる。背骨が、軋む感覚がして。
    「嫌、だ……」
    耳元で、その強い力とは非対称的な弱々しい声が聞こえた。
    「ッ、俺に……愛想でも尽きたか……?」
    「へ、なに……っ、んッ……!?」
    顔が強い力で捕まれて。刹那、荒々しく唇が塞がれる。無理矢理、唇や歯をこじ開け入り込んでくる龍広の舌は、乱暴につばさの舌を絡めとった。
    「ん、ぅ、ふぁッ……ゃ、たつ、んんッ……」
    逃れようにも、添えられた手の力は強く顔を逸らすことも離すことも許されない。
    「ッ、は……頼むから、っ……!」
    ようやく顔を離された時、アルコールの香りと共に紡がれたその言葉は。
    「俺の傍から、離れていかないでくれ……」

    (この先はご想像にお任せします)


    ~*~*~*~
    帝つばの場合
    時間が合う日は夜遅くまで通話するのが日課だった二人。しかし、あの会話を聞いて以降「実は迷惑だったんじゃ……」と思い始め、遠慮するようになってしまったつばさちゃん。そんな彼女に、帝人さんは───

    (以下抜粋)
    「誰から何を聞かされたか、わかりませんが……」
    帝人の手が、優しくつばさの髪を梳く。
    「僕は、できるだけ長く貴女の声を聞きたい。できるだけ多く、貴女と同じ時を過ごしたい」
    だから、と。彼の、つばさを見つめるその表情はどこか寂しそうで。どこか、悲しそうで。
    「他の人達のことなんて、気にしないでください。よそはよそうちはうち、です」
    「帝人さ……ッ……」
    つばさの言葉を遮るように重ねられたその唇は、いつもの優しいキスとは違う、彼女に縋っているようなもので。
    「今夜、貴女の部屋に行っても……?」
    「部屋、に……?」
    「ええ。その方が、つばささんの心の負担にならないようですし、それに……」
    絡め取られた手は、もう二度と離してくれそうにはない。
    「しばらく、二人で過ごせなかったんです。つばささん補給、してもいいですよね?」

    (この先はご想像にお任せします)


    ~*~*~*~
    健つば
    何か辛いことがあった時、健十さんに甘えて色々吐き出してたつばさちゃん。もしかしたら迷惑だったのかもと、あれ以来一人で抱え込み始める。心配した健十さん、ある晩一人で泣いていた彼女から詳しく話を聞こうとして───

    (以下抜粋)
    「そいつらが、自分達の彼女のことをどう思ってるかは知らないけど……俺は、迷惑だなんて一回も思ったことはないよ?」
    健十はつばさの頬に触れ、流れる涙を優しく拭う。つばさの体を抱き寄せるその腕は、何よりも優しく彼女を包み込んで。
    「甘えていいんだよ、つばさ。少なくとも、俺にだけは……ううん。俺にだけ、甘えて」
    背を撫でるその手は、つばさが溜め込み積み上げていたものを少しずつ壊していく。涙は止まるどころか、溢れ出して。
    「ッ、けん、とさ……」
    「うん。そうやって、吐き出しちゃっていいんだよ。溜め込んじゃうの、すごい辛いことだと思うし……それに、俺が心配」
    腕の中で小さく嗚咽を漏らすつばさの髪に、ひとつ、ふたつ、と口付けを落とした。
    「今夜は、ずっと傍にいてあげる。だから、思う存分俺に甘えていいからね」

    (この先はご想像にお任せします)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏😭😭🇱🇴🇻🇪💘👏👏💞💘💜🌸
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works