ツーブロ 不死川が散髪してきたが、問題が発生している。似合わないなどという失敗をしているわけではない……いや、むしろ失敗か?ツーブロックで刈り上げた襟足が大いにけしからん。あれでは歩く猥褻物……。
「伊黒ー、ぼーっとしてどうしたァ。屋上行こうぜ」
「……ああ」
西棟の屋上は俺らのたまり場である。貯水タンクが設置されており、あまり広さはないが、鉄柵の内側を2mほどの高さのフェンスで覆われていて、自由に出入りできる。何故か学生内の掟のようなもので、3年しか使うことが許されていないスペースだ。
進級して意気揚々と訪れた初日、同じ考えの奴らに占領されていた。次の日も、次の日も。人が少なくなるのを待って数日経った時、不死川がぼそっとキレながら呟いた。
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