ガバガバースなビリグレ② そんなことがあった数日後。午後のパトロールの後、ビリーは談話室に向かっていた。
最近は情報屋の仕事も選ぶようになったので暇を持て余している。どこかに遊びに行く気分でもなかったので暫く部屋でネットサーフィンをしていたのだが……。
(最近、どんどん匂いが強くなってる……)
部屋の奥側に設置された彼のスペースから、あの脳を揺さぶられるような香りがひっきりなしに漂ってくるのだ。甘くて美味しそう、それでいて体に熱を灯すような奇妙な匂いをこれ以上嗅ぎ続けるのは危険だと判断して、とりあえず部屋から逃げ出してきた。
もう何かに集中できる気分でもない。誰か知り合いがいたら絡んで暇つぶしでもするか、と思い談話室の中に入る。
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