一月 初詣に行くお話
「あっ、坊、コンビニ寄りたいです」
神社から少し離れて大通りに出ると、寒さに耐えかねた志摩は道路の向かいにあるコンビニを指差す。それに勝呂が了承すると、二十四時間営業も大変やなぁと思いながら、信号を渡ってコンビニの自動ドアを通り抜ける。
「何買うん」
「ん~? 寒いから温かいの~……あったあった」
ホットドリンクのコーナーを見付けると一目散にそこへ向かい、しばし悩んだ後で志摩はホットココアのペットボトルを手に取る。
「坊も何や飲みます?」
「ほなお茶」
ハイハイ~、と間延びした声を上げながら、志摩は複数あるボトルから特に迷うこともなくほうじ茶を手にする。その足でレジへと進んだかと思えば、その直前で立ち止まった。なんやねんと訝しげに尋ねれば、じっと見詰める先にはからあげやフランクフルトが並ぶホットショーケース。そしてその隣の肉まんが並ぶスチーマーがあった。
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