捕縛 縄で拘束した手首を強く縛り上げる。
自分でどうでもできる力がある悟が私に抗わずにされるがままになっていることに優越感を感じ、
しかし渇きは止まらない。
縄を握る手に力を入れて一層強く引けば、白い肌からじわじわと血が滲んできた。
私はそれに躊躇いなく口を付けた。
誰のものとも変わらない鉄の味が口に広がる。
顔を上げると、何ともない風を装っているであろう顔が存在している。目元はマスクで隠されている。
表情を窺うことは叶わないが、おそらく冷めた目で私を見下ろしているだろう。瞳の奥に欲望を宿しながら。
禁欲的だと言われる。これは私の話だ。
教祖として袈裟に身を包み、老若男女分け隔てなく接する。
逆に悟は我慢が効かない、好き放題やりたい放題。
2243