八「真下が年上未亡人顔探偵助手兼怪医家凌辱もののエロ本隠し持っ…よくこんな本見つけたな!?」八「真下がぁ、真下が怖いぃ!」ガタガタ
真「誤解だ。誤解だって言ってんだろ」
八「真下に犯されるぅ!」ブルブル
真「おいやめろ」
真「誤解なんだ」
八「そうなの……?」
真「ああ」
八「じゃああの本、お前のじゃないんだな?」
真「いや、それはまぁ、俺のなんだけど……」
八「犯されるぅ! 真下に犯されるぅ!」ガタガタ
真「チッ…違うと言ってるだろ」
八「あの、お前も年頃だから、そういう事に興味を持つ事自体俺は全然否定しない」ビクビク
真「うん……(年頃…?)」
八「そういう本を読んだりしてみたくなる事も、全然悪い事だとは思わないし……」ブルブル
真「……おい、八敷」
八「な、何だ」ビクゥッ
真「なぜ距離をとる?」
八「怖いもん!犯されるもん!ガタガタ
真「やめろ気色悪い」
八「超マニアックな方法で犯されるもん!」
真「しないと言ってるだろ」
八「人気のない樹海にある小屋のベッドに寝かされて『怪異の出る森で襲われるなんて思っても見なかっただろ…』とか言われながら犯されるもん!」
真「抜粋するのをやめろ!さっきの本から抜粋するのをやめろ!」
八「なんかマニアックな言葉責めとかするつもりだろう!」
真「しないって言ってんだろ!しつこいぞ!」
八「『ほう、なかなかいいモンを持ってるじゃないか』とか言いながらバックの所持品検査をするつもりだろう!」
真「それは…したが…貴様まだそれを根に持ってるのか!」
八「嫌だった…」
真「それはすまん」
八「とにかく、そういう…何かマニアックなプレイしようとしてるんだろう……?」
真「それ以上考えが及ばないから濁したな」
八「さ、さらにマニアックな……?」
真「というかさっきから貴様が考えているマニアックは全く範疇じゃない」
八「……え?」
真「あ?」
八「……あ、あれくらいは、基本なのか?」
真「貴様のあれくらいとは」
八「正直さっきのでもかなりエグいところ抜粋したつもりだったんだが……」
真「どれだけ嫌だったんだ」
八「本当に嫌だった…」
真「それは本当にすまん」
八「もうあれくらいじゃ、満足できないのか……?」
真「カバンを探っただけだろうが…」
八「真下がどんどん遠くに行く……」
真「遠くに行ってるのはお前だ……物理的に距離とってんだろ……」
八「だ、だって犯される……」
真「チッ」
八「距離感が不味かったのか……
不遠慮にもお前の過去に触れてしまったから……」
真「おいやめろ。重い感じにするな」
八「お前の上司へせめてもの餞別になればと蜂蜜を用意し……」
娘「それは絶対にやめろ」
八「で、でもプレイ的な見地から言えば蜂蜜も興奮ポイントに……?」
真「その考えは全く無かったとは言えないが、この流れで不謹慎だろ」
八「だ、だってさっき言ったくらいはもう基本なんだろう?」
真「本当に忘れてくれ面倒臭い」
八「となると怪異に因んで触手とかそっち系に行かざるを得ないのではないだろうか……?」
真「っていうか何でちょっと協力的なんだ
さっきまで犯される!とか言ってたくせに」
八「さ、逆らったらもっとひどい目にあう……」
真「そういうことか」
八「じゃ、じゃあ面と向かって言ってくれ……」
真「何を?」
八「『俺は自分の友人の八敷を犯したいと思っていないし、思ったこともありません』、と」
真「…なんだその宣言」
八「言わないと信用できない!獣と共に同じ家にはいられないからな!」
真「ハッ(笑)」
八「と、とにかく言ってもらえれば、安心できるかもしれないから……」
真「……うーん……」
八「や、やっぱり虚偽の申告はできない?」ビクビク
真「いちいちビビるな」
八「いいんだ。俺は真下を嘘つきにしたいわけじゃない!」
真「その感じやめろ」
八「お前にその場限りの嘘をつかせるくらいなら、俺は真下の嗜好と向き合うから!」
真「言ってやる。言ってやるから、少し落ち着けよ」
真「ええと?なんだったか……『俺は』……」
八「『俺は自分の友人を犯したいと思っていないし』
真「ちなみに俺はお前を友人と思った事は一度もない
八「なっ……そ…そうか……」シュン…
真「俺の助手で、相棒だろ?」
八「真下………その手には乗らないぞ」
真「チッ…おい、一応確認するぞ」
八「な、なんだ?」
真「この『犯す』の範囲ってのは……?」
八「」
真「一応だ」
八「そ、それはつまり範囲によっては……」
真「一応だって言ってんだろ。意外と二人の間で食い違ってるかもしれん」
八「範囲によってはありえると言うことか?」
真「いやだから、その確認をしてるんだろうが」
八「そ、そうだな。真下の基準はちょっとアレだからな…」
真「俺は至って普通のつもりだが」
八「ここでの『犯す』の範囲が広ければ広いほど、その……」
真「……」
八「お前がさっきの宣誓をできなくなる可能性が上がる…という事か」
真「多分な」
八「否定しないのか…」
真「じゃあ『犯す』の基準決めだが…」
八「まずは『キス』!」
真「待て」
八「どうした?」
真「一旦止まれ」
八「怖い怖い怖い怖い!!」
真「落ち着け。普通にするだろ。 キスするだろ連れ同士」
八「しないしないしない怖い怖い怖い」
真「俺がするかどうかじゃない。 一般的にだ。一般的な基準として、連れとキスはセーフだ」
八「しないよぉ……」
真「アレだ、キスって唇同士の奴だ。『下の口に』とかそういうんじゃない。
そのつもりで俺はOKにしたんだ」
八「当たり前だ……ていうか今言った方OKにしてたら本当に勘当していた……」
八「しかし、ではキスが基準だとアウトなのか?だよな?あの、言わなくても良いんだが…」
真(心底屈辱的……)
八「うーん……というかもう、聞くぞ……
ど、どこラインにしたらさっきの宣言ができるんだ?」
真「……は?」
八「ま、真下が決めてくれていい。それを聞いて対処するから」
真「……そうだな…」
(五分後)
真「……」
八「……」ドキドキ
真「……おい」
八「ひっ」ビクゥッ
真「怯えるな鬱陶しい」
八「す、すまない。驚いただけだ。本当にすまない。犯さないでくれ」
真「やめろ」
八「……というか、これを長考した時点で相当ヤバ……」
真「わかった、今すぐ言ってやる」
真「うーん……」
八「言ってくれていいから!ドンと!」
真「えーと……」
八「もう驚かないから!」
真「あー……おそらく、何をラインにしても、その、無意味だな……」
八「え」
真「まぁ、その、したいし……」
八「うわああああああやっぱりガチじゃないか!!!」
真「仕方ねぇだろ…したいんだもの ました」
八「最初ので合ってただろうぅぅぅ!! 最初のリアクションでむしろ正解じゃないか」
真「それは本当にすまん。お前の体を家宅捜索とかしたい」
八「それは聞いてない!! 怖い怖い怖いぃぃぃ!!」
真「静かにろ! 犯すぞ!」
八「め、めっちゃ本性出してるぅぅぅぅ!!!」
八「九条館の客室プレイは?」
真「基本」
八「胎内と書いて?」
真「ナカ」
八「恐怖は?」
真「極上」
八「背徳感は?」
真「正義」
八「こわいよぉぉぉ!真下が怖いよぉぉぉ!」
真「うるさい!下着口に詰めるぞ」
八「なにそれ!?」
真「よくあるんだよ」
八「よくあるんだ!?」
真「色々装着したままうちの事務所で依頼者を接客させたりしたい!」
八「何だ急に」
真「すまん、もう我慢しなくていいと思ったら願望出ちまった」
八「怖い!そんなことを内に秘めてたとか怖い!」
真「現場の調査中にリモコンでいじりたい」
八「やめて怖い!」
真「俺が待機中で貴様が別同行者との散策中に、不意にモーター音がしたら同行中の奴ら、何の音かと耳をすませて」
八「細かな設定とか怖い!」
真「ハハ…とまらねぇな」
八「落ち着いてくれ! もうやめろ!」
真「他の連中に見られない部屋の死角でキスしたい」
真「印人の連絡網回すため電話してる後ろから胸揉みたい」
真「たまには俺の家でも宅飲みしたい」
八「最後のは普通のこと言ってるはずなのに怖い!」
真「ま、そういうことだから。よろしくな」
八「何をヨロシクするんだ?」
真「……じゃあ俺はもう寝るからな」
八「このタイミングで当たり前のように泊まるのか!
というかなにをヨロシクすればいいんだ?」
真「お休み」ニヤッ
八「ええー……絶対明日から何か仕掛けてくる……」
八「本当にヤダ本当に怖い……」
八「なんであんな本見つけてしまったんだろうか……」
八「他の印人にはなんて言おう……いや、言えないか……こんな稀有な悩み……」