読切ドラロナ小話目覚めたらそこは、楽園だった。
床に座り込んだ形で復活した私の眼前の景色には、色気たっぷりのうなじがバーン!と広がっている。しかも汗をかいてしっとりと濡れた銀色の後れ毛が張り付いた絶景。
「フッ……ッ……」
乱れた呼吸音とともに、その後れ毛から滴り落ちる汗。うなじを伝う様子をじっと見ていたいのに、それはすぐに床に倒れて一瞬で隠されてしまう。
しかしまたフッと漏れ出す声とともに眼前に戻ってきて、一瞬遅れて鼻腔にふわりとその馨しい汗の匂いを届けた。
ごくり。
思わず喉が鳴る。
その音が響いたような気がして慌てた拍子にパサリとマントが翻った。
「……あ?復活したのか?」
目の前にあった色っぽいうなじがくるりとふり返って、綺麗な青い宝石にかわる。
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