【誘惑するのは…?】ヒュンポプ季節が夏を迎えて、段々と暑くなる日々。
パプニカの城の中でも暑さは増すばかり。日陰はひんやりとした空気もあるものの、吹き抜ける風は熱風を思わせるくらいには熱かった。
部屋に籠りがちなポップは、益々暑くなる部屋の暑さにまいりきっていた。
「あちぃ~」
まあ、魔法で部屋を冷やすことも可能なのだが、あえて使わない所がポップらしい。
机に突っ伏しながら、唸るポップを諌める人物はおらず、部屋の中にはポップ一人だけ。
「なんで夏はこんなあちぃんだよ~」
一人ぶちぶちと呟きながら、ちらりと羊皮紙を睨みつけるが、仕事をやろうにもやる気が起きなくなってくる。
溜まりきった仕事の山を片付けないと、またレオナからのお小言が来るのは分かってはいるのだが、いかんせんこの暑さだ、もう集中力も無いに等しい。
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