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    kmt 夢腐 夢友くん×むざさまの作品置き場💠🌸

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    夢腐 琥鴞くん視点の考え事
     鎌倉後期以降のどこかで、善悪とは別に強い信念を持つ無惨様への尊敬と心配をつらつら述べてます。

     琥鴞くんのテーマが共に生き方を語らい忠言を与える友人であり、無惨様の推しポイントの一つが自分自身を生きているところなので、推しカプの好き概念(サビ)何度でも繰り返す
     説話由来だけど無惨様は神仏の逆なので捻くれた展開になった

    概念の由来: 沙石集、デミアン

    ##小説

    憧月 『賢者は誰に言われるでもなく道徳的で、愚者は何度忠告されようが学ばない。だが多くの人は中庸であり、周囲次第で良くも悪くも染まる。従って必要なのは良き友人だが、どんな人間であろうと四十九日の道程を共に歩めはしない。最後まで信頼できる友は良き知識のみである』



     僕はただの凡人だ。都で見てきた人々もまた、高官から民草に至るまで、我が友人ただ一人を除いて皆が皆凡人だった。凡人は賢愚の考を知らないため、僕なりにこう理解してみる。賢者を愚かな道に引き摺り下ろせぬ由と同じく愚者もまた染まらぬ何者かであり、それは己の生きる道を初めから知っている人であってその善し悪しは単に世俗の求めるところに合致するか否かにすぎない、と。

     我が友、只管に生を希う望の君は、愚かしくも輝かしく、正に賢者であり愚者であった。己が道を知り、何の道楽に耽ることも許さず、ただただ修羅の道を邁進する。彼の姿は眩しかったが、その生き様は苦痛そのものにも思えた。

     凡人である僕はその輝きと交わりたく、またその苦痛を和らげたかった。当時、彼と交わらざる己が時代の波に飲まれて潰える未来は必然であった。かつて望んだ日々、泰平と詩歌に囲われた風雅な生活は、迫る戦乱の世が跡形もなく飲み込んだ。僕の居場所はここにはない。あてどなく暗い世を彷徨う中、月だけがこの世ならざる色で煌々と道を示していた。

     孤高の月は生命の輝きに満ち満ちており、また死の雲に溺れまいと狂おしくもがいていた。彼は理知的だが、決して道徳的でない。誰にも親切ではないが、何に対しても慧眼を向ける。紅くもなく白くもない月と交わったなら、どんな色に染まるのであろうか。

     知性と野望に煌めく瞳が僕を惹きつけて止まない。共に語らうに足る聡さと愛で飽くことなき美貌を備え、淀まざる努力で見果てぬ夢へと手を伸ばす。彼と共に年月を歩み、眩い月光を静かに映すことが、一つの生を終えた僕に残された望みだ。

     「そして最後に願わくは、己が滅びた後さえも歩みを止めぬ我が月へ、永遠か黄泉への道連れに珠玉の言葉を送らむと……」
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