.「あなたは長く生きているから、きっと気まぐれでも起こしたのでしょう。私の長い一生も、あなたが生きる時間のたった数秒でしかない。私ばかりが全てを捧げるなんてごめんだわ」
そういうとアーサーさんは少しだけ寂しそうな顔をして、そうか、と呟いた。そういう諦めの良さもあなたの手を取らない理由のひとつだ。そんなことはない、勘違いなどではない、これは真実の愛だ。そう言ってくれれば、私は今すぐにでもその言葉に騙される覚悟があるというのに。
国としてうまれて、人とは異なる時間を過ごす彼が、どうしてこんな人のような姿と感情を与えられてしまったのだろう。