何度でもダンデが初めて画面越しの自分を見たのは、セミファイナルでソニアと戦った時の物だった。
ソニアが留学の為に面と向かって会う機会が激減した時にふと思い立った。
本当は、ソニアの顔が見たかった。
しかし、当時まだ通信環境や機器がそれほど発達していなかった。
声は時々聞けたが会いたい衝動が時折顔を覗かせる。
そんな時は昔の写真を眺めては自身の中に生じる寂しさを慰めていた。
しかし、それでもソニアの顔が見たかった。
故に、各方面に無理を言って当時の映像を入手した。
その映像を見た時は、深夜だった。
無音で映像を流したが、それでも当時の音が脳内で勝手に流れた。
爛々と輝く新緑色の瞳が美しかった。
苛烈に光を乱反射していた。
当時の自分も果敢に黄金瞳を煌めかせていた。
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