炭善小説1そっと重なる唇
炭治郎は何度も啄ばむ様に角度を変え、そして深く口付ける
善逸もそれを受け取り、心地良く感じていた
「ぅん‥」
いつもならここで一息ついて終わる、はずなのだが
肩に置かれた炭治郎の手が重くのし掛かり、善逸の身体を後ろに倒す
「炭治郎‥?」
見上げると今まで見た事も無い炭治郎の恋焦がれた、熱い眼差し‥善逸の身体はそれを捉えて金縛りにでもあったかの様に強張る
跳ね上がる心臓
「善逸‥」
炭治郎は善逸の首筋に口付けた
善逸の口ははくはくとなり、酸素不足にでも陥ったかの様だ
「好きだ、善逸‥好きだ‥」
左手は善逸の頬を撫で唇を首筋に押しつける
炭治郎は何度も善逸の名前を呼び、何度も口付ける
何が起こっているのか酸欠状態の頭で考える
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