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    somakusanao

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    はじめてなのでゆるしてください

    ム三のような何か「武藤さんはどんな女が好きなんですか」


     武藤は三途の唐突さには慣れている。だからこれは彼にしては軽い挨拶程度だなと武藤は思った。参考資料のつもりなのか、三途は雑誌を見せてきた。いわゆるアイドルグラビアである。武藤からするとどれも同じ女に見えるのだが、違う女だと言うから驚きだ。
    「これっすか」
     そのうち一冊を三途が指さした。注視したつもりはなかったが、そんな風に見えたのだろうか。まぁ、それでいいかと武藤は頷いた。
     三途はゆっくりと口を開いた。
    「隊長はオレが好きですね」
    「……どうしてそうなる」
    「この女、髪が長いじゃないですか」
     なるほど三途が指さした女はロングヘアだった。
    「顔立ちもなんとなく俺に似ているし」
    「……そうか?」
     雑誌と三途を見比べる。
    「おまえのほうが美人だろ」
     三途が黙った。顔のほとんどをマスクで覆っているので表情がわかりにくいが、武藤はあえて表情を読むようなことはしない。気を悪くしたなら文句を言えばいいし、言わないということは納得したということだろう。
    「隊長はオレがすきですね」
     武藤は三途の唐突さには慣れているし、否定することでもない。
    「そうかもな」
    「……隊長はそのうちオレに刺されますよ」
    「気を付ける」
     グラビアの女はちっとも三途に似ていなかった。 




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    somakusanao

    DONEココイヌちゃんがチェーン系列のフード店でデートするお話です。⑤カラオケ店
    カラオケ店はフード店じゃないというごもっともなつっこみは、心の中でお願いします…
    ココイヌデート⑤カラオケ店「九井さん! 来ました!」

     キッチンに衝撃が走った。
     九井さんは、べつにこのチェーン系列カラオケ店のマネージャーでもエリア長でもなんでもない。一般人である。たぶん一般人ではなく、おそらく関東卍會の、げふんげふん、いや、うん、それは確証がないし、考えないことにして、一般人ということにしておく。
     身なりからして金を持っているであろう彼だが、なぜかときどき当店をご利用される。そしてキッチンのストックを空にしていく。なにしろ九井さんはよく食べる。めちゃくちゃ食べる。マジであの細い体のどこに入っているんだというくらいのブラックホールだ。
     そのうえ九井さんはメニューをいろいろと楽しみたい方で、「トマトの海賊風チキンみぞれ煮バゲット添え」なんていう当店で三カ月に一回も出たことのないメニューも頼む。そのたびにキッチンはレシピはどこだと探す羽目になる。しかも、九井さんはたいてい一時間でご退室される。つまりスピード勝負なのだ。
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