Unknown Legend (1) その髪は朝日のごとく輝き
そのまなこは高き空のごとく澄み渡りけり
白き衣に身を包み
剣を振るうはただひたすら、母と故郷の名誉のため
失業してしまった。まったく、青天の霹靂だった。
人生にはおうおうにして、予測不可能なことが起きる。そんなことくらい、母親に棄てられた十一のとき、とうに判っているはずだった。けれどもまさか、ここが自分の居場所だと思っていた仕事場が、ある日突然なくなるとは。あまりに急すぎて、不運を嘆くいとまもなかった。
――いい加減、そろそろ次の仕事を探すべきだろう。
失業してから、そろそろ三週間になる。いつ振り込まれるかわからない失業手当はあてにならないし、ただでさえ残り少ない貯金を、これ以上食い潰す訳にはゆかない。なのに気がつけば地下鉄を乗り継いで、今日もノッティング・ヒルの駅まで来てしまった。ビョルンのかつての職場は、この駅から歩いて十分ほどの路地裏にあった。
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