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    一人称矯正絵ついでに
    一次創作内でのヴィレストと鼈甲についてぽちぽち
    ストーリー的にはまだ続くけどそれはまた別の機会にってことで

    とりあえずヴィレストはベルの事を忘れないために「鼈甲」の名前を考えたけど今ではベルのことはどうでもいいくらいに鼈甲すきすぎてゲスいくらいになってる

    「鼈甲」と「ベル」「ヴィレスト・グラスドレーデ」と「ベルツェーリ・コールウッド」は同い年

    二人とも貴族で生まれた時から婚約者だった
    ある日ベルツェーリは大好きな花畑に行ったきり帰らない
    使用人たちが方々探しても見つからず、ただ月日は経過する
    遂にベルツェーリは発見に至らず、亡くなったものとされた
    グラスドレーデ男爵が子息の婚約者の葬儀は厳粛に執り行われた
    ヴィレストも婚約者のために花を添える
    空っぽの棺に

    月日は経った
    ベルツェーリを失ったヴィレストはそれはもう荒れ果てた少年に成長し、使用人や執事を困らせていたという

    ある日ヴィレストは孤児院を訪れていた
    父親が支援する孤児院である
    ゆくゆくは父の跡を継がなければいけないと分かっていても、彼には何も学ぶ気などなかった
    だからヴィレストはこっそりと孤児院を抜け出した
    院の隣りには薬学研究所も隣接している
    最近の流行病に対するワクチンを研究しているにだという
    ただの興味本位だった
    その施設に潜り込んだヴィレストは地下で見つけてしまう
    「ベルツェーリ」にそっくりな非人道的な実験の材料にされたいた有毛種を
    言葉を失い、痩せ細い、汚れてくすんだ髪
    それでも
    「欲しい」とヴィレストは思った
    どんな手を使ってでもこの有毛種を手にようと
    だが、叶わない
    隠された存在
    人体実験
    研究者はこの有毛種のことは忘れなさいと笑う
    けれど、諦めることはできない
    どうしても欲しい
    だから逃げた
    有毛種を連れて逃げた

    研究者は静かに焦る
    あの有毛種は「まずい」
    知ってしまった「彼」は消さなくてはならない
    部屋に佇む死神は静かに羽ばたいた

    まともに走れない有毛種の手を引いてヴィレストは走る
    引き返せない 家にも帰れない
    この有毛種もろとも殺されてしまうかもしれない
    でも、いま手に入れた
    「ベルツェーリ」を手に入れた
    ほんの少しの幸福に心躍らせたヴィレストの視界は
    背後まで追いついていた死神の手によって真っ赤に染められた

    あかい
    冷たくなっていく手
    倒れた「彼」
    思考すら声すら奪われた有毛種は立ち尽くす
    自分もこれから死ぬのだということも理解できず
    振り上がる鎌を、それを持つ赤い目の死神を見上げていた
    「助けてやる」と、同じように光を宿さない瞳で見下ろす「雑音」も同時に視界に映しながら



    鼈甲はふと思い出す
    義父と義母に助けられたあの日を
    あの雨の日、大怪我をして倒れていた自分とヴィレスト
    言葉を知らず歩くこともできず、ただ「存る」だけだった自分を
    「自分の子だ」と受け入れてくれたあの日を
    この子の名前は「鼈甲」だと言ったのはヴィレストだ
    そう言って彼はとても優しく微笑んでいた
    だから疑ったことなどなかった
    知ろうともしなかった
    自分が何処で産まれてどう育ったのかも
    全てを知っている「雑音」はまだ彼の中で眠り続けていた
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