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    kayou_sousaku

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    kayou_sousaku

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    後輩だから本当は可愛がられたいし甘えたいなって思ってるカヨのカヨ月って可愛くないですか(既に付き合ってる時空)

    読む前に…

    ・付き合ってるカヨ月
    ・付き合って1年目ぐらい(カヨ高3)
    ・カヨは受験勉強で疲れてる
    ・場所はカヨ(一人暮らし)の家

    という設定です!

    「可愛い後輩 男 検索」

    ああ、俺はなんでこんな事してるんだろう。
    ………アイツがいつも俺に『生意気』とか『可愛くない』とか言うからだ。
    たしかに自分でも可愛げのない後輩だとは思う。そもそも好かれる人間になろうという気もないし……。

    「そんな必死にスマホ見て何してるの烏丸」
    「別に…お前には関係ないこと」
    「またそんなこと言って…可愛くないな」

    いや、こんなの検索してるのがバレたらマズイだろ。なんて言われるか分からねぇ。絶対笑われる。

    「すぐそうやってスマホ隠すとか怪しいな。…また元カノと連絡でも取ってるの?」
    「……はぁ、めんどくせぇな。お前が嫌そうだから連絡先消したしもう話してねぇよ」
    「え!?あ、そ、そうなんだ…」

    そんなことはどうだっていいんだよ…。
    いや待てよ?そういえば昔付き合ってた先輩(女)はしょっちゅう俺のこと可愛いって言ってた気もする。当時はめちゃくちゃ嫌だったが…というか今言われても嫌だが、何が可愛かったんだろうか。

    とりあえず調べてみたところ、『素直で明るい』のが可愛い後輩ってやつらしい。
    明るい…っていうのは難しい。暗くはないと思うが明るくはないよな…でも明るい俺ってなんか変じゃねぇか?想像するだけでおぞましいな…。とりあえず素直になってみるか。

    「おい」
    「ん?なに?」
    「…勉強疲れた。今日はもうやりたくない」
    「烏丸がそんなこと言うの珍しい。まぁたまにはゆっくり休んだ方がいいよ」
    「…おう」
    「じゃあ俺帰るね。」
    「やだ」
    「えっ…」

    思わず引き止めてしまった。『やだ』ってなんだよ。駄々っ子かよ。

    「ま…まだ帰んなくていいだろ」
    「でも俺がいたらゆっくりできないでしょ。この部屋もそんなに広くないし…」
    「お前がいても問題ない」
    「…もしかして、烏丸体調悪い?そしたら何か買って…」
    「ちがう!そういうわけじゃねぇ…」

    どうしたらいいんだ。悪魔のやつ、すっげぇ困った顔してるぞ。少し素直になってみたらすぐこれだ。いや、これ、素直なのか…?
    普通に『一緒に居たいから居てください』って言えばいいんだろうか。…めちゃくちゃキモいな。いや、今日は素直になるって決めたしな…

    「い、いっしょにいたい…」
    「…え…、な、なにと?」
    「お前とだよ…」
    「…ちょっとまって、烏丸やっぱりどっか悪いんじゃ」
    「あーーーもう!俺がそういうこと思ってたらダメなのかよ!」

    思わず大声を出しながら悪魔を押し倒してしまった。やっぱ素直になんかなるべきじゃなかった!恥ずかしすぎて死にそうだ。コイツの顔も見れない。なんだよこれ…どうしたらいいんだよ…。
    さっと離れて反対を向いた。
    それからちょっと間が空いた。
    もうここまできたら引けない。

    「……勉強疲れたのは本当だからな」
    「……そっか」
    「…一緒に居たいって言ったのも……まぁ……ほ…本当…だけど…」
    「………………………」

    なんで黙るんだよ…。やっぱり変だったのか。キャラじゃないしな。自分でもキモいって思うし多分コイツもそう思ってるんだろうな。……それはそれでなんか……嫌だけど。

    「可愛くない後輩で悪かったな。もうこういうの言わねぇから忘れていい。」
    「なんで?」
    「なんでって……嫌だろ俺からこういうの言われても」
    「嫌じゃないよ」
    「あーあーいい。そういうの。別に俺はお前が何を言おうがなんとも…」
    「だから本当に嫌じゃないって。嘘じゃないから。」
    「…じゃあなんでさっき黙ってたんだよ」
    「それは…その………嬉しかったから…」

    …嬉しい?コイツ今嬉しいって言ったか?
    確認の意味も込めて悪魔と向き合うように座り直した。
    まぁなんか顔赤くしてるし多分そんなこと言ったんだろうな…。じゃない、そうじゃない。そんな反応されると俺もどうしたらいいか分からなくなるだろ…!

    「嬉しいって、本気で言ってんのか?」
    「本当に嬉しかったよ。だって烏丸そういうこと全然言ってくれないし。」
    「…それはそうかもしれねぇけど…」
    「だから、烏丸って本当に俺のこと好きなのかなとか、俺の居て楽しいのかなとか色々考えちゃって…」
    「……まぁ、そうなる……のか…」
    「でも今日の烏丸すごい素直だから、逆に怖くて…受験の疲れとかもあるし。だからさっき黙っちゃった。ごめん。」
    「…別に謝んなくていい。」

    前から思ってたけどコイツ、割と重いよな…。いや、俺が何も言わなすぎてるのかもしれない。元カノにも『カヨウくんって本当に私のこと好きなのか分からない』とか言われたことあるし。
    俺が言葉にしないのは、何となく恥ずかしいってのもあるが、自分自身もどうしたいのか分からないからだ。今だって一緒に居たいからそう言ったが、なんで一緒に居たいかは分からない。
    …嘘だ。本当は分かる。分かるけど認めなくないし言いたくない。けど……

    「…思ってること、素直に言ったらお前は喜ぶのか?」
    「え?……うん…多分。喜ぶかは内容にもよるけど、思ってることはちゃんと言ってほしい。」
    「……嫌いにならねぇか?」
    「なるようなこと、烏丸は言わないよ」
    「……………なんだよそれ…。変な奴。」

    心臓がバクバク鳴ってる。こんなの初めてだ。今まで誰かと付き合ってこんな思いしたことなんてない。…もう言うしかない。コイツも嫌わないって言ってるし。これでダメだったらボコボコに殴ろう。そうしよう。

    「……あの…さ」
    「うん」
    「あ………あまえたい…」

    言ってしまった。無理だ無理だ無理だ!もう2度とコイツの顔を見ることはねぇだろうな!うわ………人生最大の羞恥だろこんなの…。

    「………あはは」
    「…!お前っ…」
    「あ、ごめん。別におかしいわけじゃないよ。」
    「…なんだよ…ムカつく…」
    「ごめんって。だってヤりたいとかはいつも普通に言うくせに、甘えたいって言うのは恥ずかしそうにするからさ、なんか可愛いなって」
    「……ムカつく…」
    「はいはい。普通に甘えていいよ。烏丸、普段そういうことできないでしょ。」

    確かにそうだ。家帰っても妹と母親の前じゃそんな暇もない。学校はもっと論外だ。
    なんて考えてたら、悪魔に頭を撫でられた。
    意外と心地がいい。
    そのまま隣に座って肩にもたれかかった。
    こういうの、何年振りだろう。
    もしかしたら初めてかもしれない。
    すごく眠くなってきた。恥ずかしいし疲れたし、このまま寝てもいいか。
    でも余裕そうな顔してるコイツもなんかなぁ…。
    最後にかましといてやるか。



    「……ありがとな………………月翔」
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