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    Kmr_rmK58

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    Kmr_rmK58

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    シンレイ……?シン+レイかも。シンルナ前提だけど距離の近い親友たち。書きたいとこだけ。
    レイだけ見つかったのは頭から血を流してた→抱きしめられた後気絶してタリアがこっそり脱出ポッド的なのに入れてくれたから、みたいなふんわりとした経緯です。柔らかめの方が余地がある。

    コンパス参加で車椅子設定だけどほぼ描写なし。多分CICかな?

    レイのみ生存ifシンレイくるまいすれい


    レイが生きていた。
    炎をあげて墜ちゆくメサイアの中で発見されたレイはひどい怪我を負っていて、すぐ治療と入院措置が取られた。奇跡的に一命を取り留めたものの、治療を一通り終えた後もまだ目を覚さない。外傷のほかにも臓器の機能も落ちていて、何か原因を知らないかと担当医に聞かれたが、「あの」話をレイ抜きでして良いのかと悩み、レイが目を覚ましたらと濁してしまった。

    レイはまだ眠っている。
    ミネルバでは同室だったから寝顔なんて見慣れているが、至る所に包帯と点滴の管が付いている姿なんてあまり長く見ていたいものでもない。
    目が覚めたらまず何から話そうだとか、いやまずは議長と艦長のことを伝えなければとか、色々考えは巡るけれど、どちらにせよレイが目覚めてくれないことには話にならない。何もすることがなくて、やはり規則正しい呼吸をして眠るレイの顔を見つめてしまうのだった。

    レイが目を覚ました。
    ゆっくりと瞼をあげてライトブルーの瞳が現れた時、俺がどれだけ歓喜に包まれたかレイは知らないだろう。未だ状況がわかっていないのか、横たわりぼんやりしたままのレイは天井を見上げたまま静かに一筋の涙を流した。

    「レイ?どうしたんだ!どこかまだ痛むのか?!」

    レイはこちらの声が聞こえていないようにぶつぶつと何かを呟いている。誰かに謝っているようだ。レイが目を覚ましたと医者に伝えなければならないのに、レイのただ事ではない様子にすっかり気が動転してしまった俺はレイの意識をこちらに向けさせようと肩を掴んで自分の方へと向かせた。だがレイの視線はシンと交わることなく、顔を背けて泣きじゃくりながら謝り続けている。

    「ごめんなさい、ごめんなさい、ギル……」

    ギル。ギルバート・デュランダル。プラント最高評議会議長。レイが信奉し、固く忠誠を誓っていた人物だ。彼はメサイアでキラ・ヤマトに敗れたのではなかっただろうか?レイだって自分と共に議長のために戦った。だというのに何に対して謝っているのだろう。

    中略。

    レイはプラントで議長と住んでいた家を引き払いミレニアムの個室で生活している。元々私物も少ないので、カバン一つ分だけで越してきたらしい。どちらにせよ車椅子の身ではあまり頻繁に移動も出来ないし、ミネルバにいた時だってずっと家に帰っていないからほぼ変わらないと言っていた。逆にその鞄何が入ってんの?と聞いたら本とアルバムだと返された。それって全部本ってことじゃん。なんてからかったらそうとも言うなと適当にあしらわれてしまった。

    アルバム、見ても良い?と言えば少し逡巡したあと「……内容を言いふらさなければ」と若干引っかかるお許しをもらえた。
    「そんなにやばいの?」
    「やばくはない。ただ、驚くかもしれないと思っただけだ」
    そんなことを言われれば、さあ俺を驚かせてみろと意気込んでしまう。そしてアルバムを開いたシンは1ページ目でものの見事に驚かされたのだった。

    「レイが二人……!?」
    「言っただろう、クローンだと」
    そういうことか、じゃあこのレイと全く同じ顔をしている赤服(といっても俺たちが着ているものと少しデザインは違う)の男性はクローン仲間ということなのか。確かに先日レイの話の中でもう一人の俺は、なんてことを言っていたような気がする。

    (「もう一人の俺は、この運命を呪い、すべてを壊そうと、戦って──死んだ」)

    死んでしまったんだ、この人も。レイにとって家族同然だったであろう人。同じ運命の中、抗って、戦った人。
    でも、この写真では笑っている。小さなレイを抱き上げて、小さな笑みを浮かべる人が、世界を憎んでいるようには見えない。
    じっとその写真を見続ける俺を不審がったのかレイが声をかけてきた。
    「……そんなにおかしいか?」
    おかしい?おかしくはない。ただ、不思議に思っただけだ。
    「レイに似て優しそうな人だなって。こんな人が世界を全部壊そうとしたようには思えないな」
    「俺よりも、彼の方がたくさん世界の憎悪を浴びてきたんだ。俺も詳しくは知らない」
    レイは一呼吸おいてから続けた。
    「でも、彼が俺を連れ出してくれたんだ。だからお前とも出会えた」
    「そういうこと言われると、勘違いしちゃうんだけど?」
    「勘違い?」
    「俺のこと特別に思ってんのかなって」
    「特別に決まってるだろう」

    面と向かって言われるとかなりくるものがある。レイは変な世辞や嘘をつかないから余計に。正直にいうと、嬉しい。
    このまま、戦いのことも、レイの寿命のことも、薬のことも、レイ以外のこと全部全部忘れて生きていられたらいいのになとも思う。でも俺はルナのことを忘れられないし、ステラやマユや父さん母さんのことだって忘れたくない。そんできっとこれからもルナや隊長たちと一緒に戦いを終わらせるためモビルスーツに乗る。レイは……出来ることならもう戦いに参加してほしくないけど、コイツの性格的に言っても聞かないだろうな。

    「シン」
    「何?」
    「謝るなよ」

    俺ももう謝らないから、と言ったレイは、最後どんな顔してたっけ。
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    Kmr_rmK58

    CAN’T MAKEシンレイ……?シン+レイかも。シンルナ前提だけど距離の近い親友たち。書きたいとこだけ。
    レイだけ見つかったのは頭から血を流してた→抱きしめられた後気絶してタリアがこっそり脱出ポッド的なのに入れてくれたから、みたいなふんわりとした経緯です。柔らかめの方が余地がある。

    コンパス参加で車椅子設定だけどほぼ描写なし。多分CICかな?
    レイのみ生存ifシンレイくるまいすれい


    レイが生きていた。
    炎をあげて墜ちゆくメサイアの中で発見されたレイはひどい怪我を負っていて、すぐ治療と入院措置が取られた。奇跡的に一命を取り留めたものの、治療を一通り終えた後もまだ目を覚さない。外傷のほかにも臓器の機能も落ちていて、何か原因を知らないかと担当医に聞かれたが、「あの」話をレイ抜きでして良いのかと悩み、レイが目を覚ましたらと濁してしまった。

    レイはまだ眠っている。
    ミネルバでは同室だったから寝顔なんて見慣れているが、至る所に包帯と点滴の管が付いている姿なんてあまり長く見ていたいものでもない。
    目が覚めたらまず何から話そうだとか、いやまずは議長と艦長のことを伝えなければとか、色々考えは巡るけれど、どちらにせよレイが目覚めてくれないことには話にならない。何もすることがなくて、やはり規則正しい呼吸をして眠るレイの顔を見つめてしまうのだった。
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