相棒として 冷たい執務室、さらに冷たい視線の前。ジェラード・ベリーはそこに立っていた。
「ベリー、今から聞く質問に、素直に答えるように」
と、椅子に腰かけ、机に肘をついているのは――我らがボス、“シルバーウィッチ”だ。
「かしこまりました。サー!」
蒼い相貌に晒され、ジェラードは背筋を伸ばす。
「そう畏まらずとも良い。……先の、『ブランク』制圧作戦についてだ」
“シルバーウィッチ”の促しに従い、ジェラードは椅子に座る。
先の作戦……自分の行いに。何か、不手際でもあったか? それとも自分の私怨を勘づかれた? 瞬時に思考が駆け巡り、背中に汗が伝う。
しかし、彼女から問われたのは。そのどちらでもなく。
「――ハナゾノのことを、お前はどう見る? ジェラード・ベリー」
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