野営地点を教わっていたので、迷うことはなかった。それに盟友から設営地点を丁寧に記したマップを渡されていたというのもある。
テントは部隊編成で別けているらしく、盟友は空いている予備隊で眠ることにしたそうだ。
満月が輝く夜。
見回りのオペレーターが私を見つけると、こそこそと声を潜めている。好奇の眼差しも想定内だ。
『招集されてないのに何故』その声を無視して、盟友のいるテントへと進んでゆく。
ふと盟友がいる筈のテントからサルカズの男性剣士が出て行った。彼は私よりも、やや早くロドスのオペレーターになったと盟友から聞いている。
するりと慣れた足取りで地面を避けて、私に見向きもせずに去ってゆくサルカズの剣士。
どうやら地雷が今夜も盟友のテント付近には埋まっているらしい。私も彼にならい、地面を避けて通った。
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