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    minmin31039

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    IFにIFを重ねる話。の、3話目。
    鬼殺隊IFの狛治さん&完全に鬼の始祖の手駒になる前に呪いを自力で解除した猗窩座殿のおはなし。鬼殺隊IFにする為に時系列が変わっているところがありますが、『ほーん、こんな妄想もあるんだなー』程度に受け取ってください。
     また、創作キャラクターも混ざってます。許して(謝罪の意)

    2022/4/29 改訂

    未熟(前編) 狛治と猗窩座が森の奥に鍛冶場を構える刀鍛冶『阿留多伎霽吽あるたき せいうん』と接触し、自分たちが置かれている現状、鬼殺隊に入隊したいこと、それを目指す上で重要になる最終選別についてを話し合ってからは、彼の元で全集中の呼吸を習得する事から始まった。

    「本来なら一年かけてみっちり修行させてやりてェんだが、テメェさんが目指す最終選別までもう半年過ぎてる。急ぎ足で鍛えてやるが、ワシは育手じゃアねぇ。人にものを教えるのは得意じゃねェんでな。分かりにくくても文句は言うんじゃねぇぞ」
    「はい」
    「まァ、『習うより慣れろ』だ。こんな事もあろうかと、5年前くらいからこしらえてきた修行場がある」

     「ついて来い」と阿留多伎が小屋から出て行くのを見ていた狛治は急いで彼の後を追いかける。顔は狛犬の面で隠れているため見えないが、頭髪や声の枯れ具合からして50年は生きているはずの阿留多伎は、狛治を置いていきそうな速さで走る。狛治は阿留多伎の化け物じみた体力と足の速さに驚きつつも、その背中を見失う事はなかった。
     阿留多伎を追いかけて数分後、狛治は例の『修行場』にたどり着いた。日差しを遮る背の高い樹木の空間に、自分の身長ほどは絶対にあるであろう底が深い泉、木の枝に括り付けられ風に揺れている丸太、引き摺られた跡がある巨大な丸岩、何故か焼け跡が残っている土草……本当にここが修行場なのだろうか?拷問場所の間違いではなかろうか?

    「まずは基礎中の基礎だ。全集中の呼吸が使える様になるにはひたすら鍛錬を積む必要がある。ま、その方法も育手によって様々だがな。
     ワシの場合は……アレだ」

     阿留多伎が泉を指差し、狛治はその方向……泉を見る。一見するとただの泉だが、何か仕掛けでもあるのだろうか?

    「時間が惜しいからな、早速で悪いが修行を始めるぞ。テメェさんの中にいる鬼は置いてきてくれや」
    「あ、はい。分かりました。少し待っていてください」

     言われた通り、体内で眠っている猗窩座に声をかけて体の外に出してやる。柔道着を頭からかぶり、幼い姿のまま猗窩座は目を擦っている。阿留多伎は猗窩座が出ていった事を確認すると、「泉の中を覗いてみな」と狛治に促す。狛治は泉の近くまで移動して覗き込む。

    「深さは大体テメェさんの身長の三倍ほどだ。少しでも多く空気を吸いあげて血流を促進させ、肉体の活動限界を一時的に伸ばすのが全集中の呼吸の大前提だ。まずはテメェさんの肺活量を鍛える!」
    「はい、よろしくお願いします」
    「おうよ、殺す気で鍛えてやるから死に物狂いで鍛えなァ!」
    「うん?」

     阿留多伎は疑問符が浮かんだ狛治の背中を勢いよく押し、泉の中へと突き落とした。着物が水を吸い上げ、質量を増していく。泉の底へと引き摺り込もうとする着物によって溺れている状態に近い狛治は文字通り『死に物狂い』で水面に顔を出す。

    「泉の底に足をつけたら水面に上がる!これをまずは二十回だ!明日は三十回、明明後日は四十回と回数を増やしてくぜ!ここで溺死する様ならテメェさんは鬼の餌と同等、いやそれ以下だ!!」
    「霽吽、俺は狛治が鍛錬している間どうすれば良い?」
    「そうさなァ。テメェさんは日陰でのんびりしつつ、黒髪のやつが往復した回数を数えろ。もし溺れてたら引っ張り上げてやれ。テメェさんなら溺死しないだろ」
    「分かった。そういう訳だ、狛治が死ぬと思ったら俺がどうにかして引っ張り上げるから頑張れよ」

     背を向けて小屋に戻ろうとする阿留多伎と他人事のように手を振る猗窩座を睨みつけつつ、観念した様に素潜りを開始したのだった。



    ❇︎ ❇︎ ❇︎

     風邪を引きかねない水温の中での素潜りは正直に言って過酷を極めていた。明らかに強引な教え方なのだが、それでも修行の成果は出始めていた。あの重労働を一週間も続けていると、まずは人並みに腹が空く様になった。

    「生き物はメシ食わねェと、動くモンも満足に動かせねェ。栄養が身体中に行き渡らなけりゃ、呼吸を習得したところで意味がねェんだ。まずはメシを満足に食える体にしねえとな」
    「すいません、わざわざ飯まで……」
    「別に、金には困ってねぇんだ。“お館様”のご意向のお陰さね。それに、テメェさんは猗窩座の食事も担っているんだろ?とりあえず食えるだけ食って寝ろ」

     二週間も続けていると、水を吸った着物の重さに慣れ始めた。それを見計らって、阿留多伎は修行を増やした。素潜り五十回を終えたら、次は枝にぶら下がる丸太の振り子を受け流す。着物が重くて上手く体を動かせず、丸太を顔面から食らったのは記憶に新しい。お陰で生傷が絶えない毎日を送っている。
     しかも、律儀に素潜りの回数数えをしていた猗窩座が阿留多伎に暇を訴えたところ、「うるさくて敵わなかったんじゃァ」と修行に参戦させてきた。手加減されているが、まともに受ければ骨折は免れない攻撃を繰り出してくるあたり容赦がない。いくら急ぎ足での修行だとは言え、あまりにも性急じゃなかろうか。
     それと、これからの事を考えて阿留多伎に猗窩座の口枷を作ってもらう様に頼み込んだ。「人間を喰らっていないから鬼としては弱い方だとは言え、人間の頃から鬼子の様に恐れられ、一度復讐の鬼になった事がある狛治を元としている猗窩座を抑制するならば、日輪刀の素材となる玉鋼を使った方が効果的ではなかろうか」と、玉鋼を指定した。口元が火傷すると文句を言うものの、自分の立場やこれから鬼殺隊と会うかもしれないと考えると拒絶するわけにはいかないのは分かっている様だ。



    「最終選別まで時間がない。そろそろ刀をまともに振るえるようにしておかねぇとな」
    「刀……」
    「とは言え、テメェさんの動きを見るに、刀よりも拳術の方が合ってるようだからなァ。どうするか考えあぐねていたんでィ」

     「そこで、」と言葉を続け、小箱を取り出して蓋を開けるとそこにあったのは、小ぶりで一の腕より小さめの2本の短刀であった。握ってみろと顎で指され、狛治は言われたまま柄を握る。
     刀を握ると刀身に変化が起こった。刃先が灰色に変化したのだ。阿留多伎は見込んだ通りだと言わんばかりに頷く。

    「日輪刀は『色変わりの刀』とも言われている。その由来はテメェさんが見た通り、持ち主によって色を変えるからでィ。そして刀が表した色は呼吸法に結びつく。赤色なら炎の呼吸、青色なら水の呼吸……といった具合にな」
    「なら灰色は──」
    「岩の呼吸だ」

     『岩の呼吸』。その名が示す通り、防御面に長けていながら攻撃にも対応できる、攻守共に優れた型である。その習得方法は想像を絶するものであり、阿留多伎もその過酷な修行について行けずに中途半端にしか習得できなかったと語る。だが、狛治にはそれくらいが丁度良かった。元々鍛えるのは好きな方であったし、今度こそ自分の力が誰かを守るために振るえるのならばどんな修行でも苦ではなかった。しかし、岩の呼吸を中途半端にしか習得できていない阿留多伎が教えたところで、岩の呼吸を完全に習得できるわけもない。……だが、今重要なのは『最終選別を無事に突破できること』である。

    「良いか、よく聞け。
     テメェさんが目指す『最終選別』は、七日の間生き残る事が条件だ。放り出される先は弱い鬼たちがうじゃうじゃいる山の中。鬼にとっての猛毒である藤の花を周辺に植えている藤襲山には、弱い鬼たちが放し飼いされている。鬼殺隊が相手する様な通常の鬼よりもぐっと弱い奴らを相手することになるから、テメェさんの様な実力者ならさほど脅威にはならない筈だ。
     だが、何事にも例外がつきまとってくる。だからテメェさんは無理に戦わなくて良い。『生き残ればそれでいい』んだ」
    「……逃げに徹しろって事ですか?」
    「霽吽、何を馬鹿な事を言う!鬼殺隊になる以上、鬼を滅殺するべきだ!」
    「鬼が言って良いンかそれ」

     阿留多伎の言っている事が正攻法かもしれない。しかし守るための拳だと教わり鍛えてきた力を持っているのに、人間の敵である悪鬼を前に『逃げろ』と言われると狛治でも納得出来ないものがある。言葉にはしないが不満げな顔をする狛治と抗議する猗窩座を前に、阿留多伎は「話を最後まで聞け」と静止をかけた。

    「何も『勝てる相手にも逃げろ』とは言っておらん。臨機応変に戦闘を進めろ。勝てると思ったらその短刀で鬼の頸を切り落とせ。勝てないと思ったら命を優先して逃げろ。ワシの見立てじゃア、最終選別は個人の強さだけじゃなく、その場の判断力と頭の柔軟性、そして時の運を見ているように感じるんでィ。
     ……ま、そういう訳だ。これからは短刀の振るい方を中心に修行内容を改めるからなァ!」
    「そんな半端な目標で納得できるか!狛治も言ってやれ!お前は鬼を軽く屠れるくらいに強くなるべきだ!」
    「……確かに強さは必要条件だが、最終選別までふた月もない期間でどこまで習得出来るか分かったもんじゃない。自己評価としては全集中の呼吸も完璧に習得できてるとは言い難いし、まずは全集中の呼吸をまともに使えるようにならないと」
    「〜〜〜〜ッ!!」

     猗窩座は駄々をこねる子供の様に苛立ちを露わにするが、現在幼体化しているためその姿は少年であり、そこまで怖さを感じられない。狛治が修行場まで移動しようと短刀を持ちながら小屋を出て行けば、猗窩座も慌てて着いて行った。



    ❇︎ ❇︎ ❇︎

     素潜りの回数設定が七十回になり、丸太の受け流しで使われた丸太が凶悪な丸太杭に変わって、七尺ほどもある大岩を動かせと無理難題を突きつけられたり、修行場の奥で轟音を響かせる滝に打たれながらの滝行が追加されるなどの様々な訓練を課せられ、もう何日経っただろうか。お陰で肺活量だけでなく筋肉という筋肉を鍛え上げられた気がしてならない。「これからも使う機会があるんだから、今のうちに使い慣れておけ」と正当な理由を述べれば、猗窩座は嫌々ながらも律儀に口枷をしながら鍛錬に参加してきた。律儀な奴だな、一体誰に似たんだ。俺か。


    「……明日だな」

     阿留多伎が、ふとつぶやく。時間というのはあっという間に過ぎ去ってしまうもので、最終選別の日が刻一刻と迫っていた。

    「素山。何度も言うが、テメェさんは無理に戦うな。テメェさんの身体には既に素流とやらの教えが刻まれている。だから無理に刀を振るっても簡単には鬼は殺せねェだろう。生き残る事を最優先にしろ」
    「はい」
    「それと、猗窩座はここに置いていく様に。藤襲山は一年中藤の花が咲いている場所だ。藤の花は鬼にとっての猛毒だ、猗窩座にも影響が出ちまうだろう」
    「俺も饗宴に赴きたかったが、藤の花はダメだ。あの女の毒を思い出す」

     そういえば、“しのぶ”と呼ばれていた女性と初めて会った時、彼女は刃先に毒をまとわせて鬼を殺していた。


    『どうですか?藤の花の毒、鬼には効果的面なんですよ』

     不敵に笑う彼女の顔を思い出して猗窩座はゾッとする。藤の花の毒を頸に受けた鬼はみるみるうちに衰弱し、灰になるかのように死んでいったのだ。そんな藤の花が一年中咲く山など、鬼にとっては脅威でしかない土地だ。猗窩座を連れて行けない理由として十分すぎる。

    「……だが、最終選別に来るのは何もテメェさんだけじゃねェ。他の新米剣士も来るぞ。ワシの言う“時の運”ってのはそこだ。参加してくる連中の中には手練れも混じっている時がある。鬼狩りは一人で行う物じゃねェ。時には手を組むことも考慮しろ」
    「分かりました」
    「最終選別を突破したら玉鋼を選ばせてくる筈だ。デケェのを選べよな、ワシがこしらえてやるぜェ。
     ……頼むから、生きて帰ってこいよ。ワシと猗窩座はここで待っているからな」

     狛治は、ただ黙って頷いた。



    ❇︎ ❇︎ ❇︎

     某日、最終選別初日。藤襲山まで来ると、入り口では既に藤の花が咲き乱れていた。この時期、藤は花を付けない筈だ。成る程、阿留多伎さんの言っていたことはこれだったのかと一人納得する。そして自分がきた頃には20人ほどの剣士が集まっていた。どの剣士も若さが目立ち、18歳の自分が浮いて見えるくらいであった。平均で見ると16歳くらいだろうか?
     などと考えていると、手に提灯を持った双子らしき少女たちが口を開く。

    「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり、外に出ることは出来ません」
    「山の麓から中腹にかけて、鬼どもの嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」
    「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから、鬼どもがおります。この中で七日間生き抜く、」
    「それが最終選別の合格条件でございます」

     そこに、一人が挙手をする。

    「はい、」
    「何でございましょう」

     腰に刀を携えた少年が口を開く。

    「七日間、生き残りさえすれば良いんだな?」
    「左様でございます」
    「それは鬼を一匹たりとも手にかけなくても問題ない……って解釈で良いんだよな?」
    「はい、生き抜くことが合格条件になります」
    「分かった、ありがとう」

     「では、行ってらっしゃいませ」と双子の少女たちがお辞儀をして参加者たちを見送った。



    ❇︎ ❇︎ ❇︎

    「なぁ、」

     狛治は先程質問をした少年が気掛かりだった。思わず声をかけてしまったのも、彼があの時鬼狩りを目指す者にとってあるまじき質問を投げた事で一層目立ったからである。声をかけられた少年は狛治の方を向く。

    「ん?」
    「お前は、その……鬼と戦わないのか?」
    「あー……そう思われても仕方ないか」

     恥ずかしげに頭を掻きながら、少年は話を続ける。

    「俺は高台海月こうだい くらげ。才能もないまま夢だけを追ってきた馬鹿野郎さ」


     ……彼の話曰く。
     彼は幼少期に家族全員を鬼に殺され、復讐心だけで生きてきた。しかし体が限界を訴えてきて、食い物もなくなり、いよいよ行き倒れるかと思われた時に育手である師匠と出会った。彼はそこから四年間かけて修行したが、それでも才能は開花しなかった。だが、自分の家族を殺した鬼たちは許せない。“仇を打ちたい”……そんな夢を追って、今日を迎えたのだという。

    「お前の名前は?」
    「……狛治。素山狛治」
    「狛治か。……その腕の刺青は、」
    「どんな過去があったとしても、志は同じだろ」

     狛治なりの、「詮索はしないでくれ」という言葉であった。それを汲み取ってくれたのか、海月は「そうだな」と、申し訳なさそうに笑みを浮かべて話を切り替える。

    「なぁ、よかったら俺と一緒に行動しないか?鬼は驚異的だからな、俺一人じゃ七日間も生きていけるか不安なんだ。俺みたいな才能のない奴がいると、かえって足手まといでしかないだろうけど……」

     ふと、阿留多伎の言葉を思い出した。『時には協力をしろ』という教えを思い出し、狛治は首を縦に振る。

    「分かった。高台は刀が使えるんだよな?俺は事情があって日輪刀は短刀なんだ。だから俺が鬼を牽制して、高台が隙のできた鬼の頸を切る……っていうのはどうだろう?」
    「いいなそれ!分かった、そうしよう!でも生き残ることが重要だからな、戦う時はしょうがない時だ!」
    「あぁ。それじゃあ……今がその時だな」

     狛治が前方を睨み付ける。海月がその視線を辿ると、暗闇の中でギラギラと目を光らせる鬼がそこにいた。二人はそれぞれの型で構えた。狛治は今度こそ守る力として振るう素流の型を、海月は四年間で培ってきた剣術の構えを取って。

    「人間、人間の肉!久方ぶりの、人間の肉だァ!!」

     迫り来る鬼に、まず狛治が短刀を握りしめて応戦した。本来ならば頸を切らなくては戦いは終わらない。しかし付け焼き刃で覚えたばかりの岩の呼吸では全く歯が立たないと分かっている。だからこそ、彼は鬼の攻撃を受け流すことに集中した。

    「すごい……、鬼の腕力を前に怯みもしない。それどころか互角なんじゃないか……!?」

     海月は思わず息を呑んだ。短刀を握っているとはいえ、通常の人間が素手で鬼と渡り合える筈はない。狛治という青年はここに来るまでに血の滲むような鍛錬を積み重ねてきたのだろう。海月が費やした四年間よりも長いに違いない。
     海月も負けじと刀を握りしめる。「ヒュゥゥゥゥ」と呼吸を整え、

    「全集中・水の呼吸、壱ノ型ッ!!」

     狛治には、その刀がまるで水面を表すかの様に見えた。技が来る、と察知すれば狛治は大きく飛び退くと、その瞬間を狙って水面斬りが鬼の頸を捕らえた。鬼の頸は豆腐のようにすっぱりと斬り落とされ、灰になって消えていく。自分の手で倒せたのだ、と安堵すると海月は大きく息を吐いた。

    「やっっっっっったーーー!!!」
    「高台、声落とせ」

     注意されると海月はハッとして口を手で押さえた。しかし狛治の顔を見ると彼も嬉しそうに口元を綻ばせていた。海月は安心した様に笑みを浮かべた。

    「お前が『たかが四年』と卑下した努力は決して無駄じゃなかった。喜ぶ気持ちも分からなくはないけど、近くに鬼がいたらどうするんだ」
    「へへ、ごめんって」
    「全く……」

     やれやれ、と呟きながらも、狛治は目の前で自分の努力が形となって見えた事に喜ぶ海月を見ると、自分のことの様にも思えて嬉しいと感じていたのだった。
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