「…ボクの死期はもうすぐだ」
この身は産まれた時から全く変わっていない。変わっているのは積み重ねた時間とそれに対する知識だけだ。あれからもう何百年という時を過ごした。
ほら、クレーはもうすっかりアリスさんと同じような素敵な女性に成長しているよ。残念ながら、クレーがボクの身長の半分ぐらいだった時に仲良くしてくれていた人間達はもうすっかり居なくなっていた。ボクら2人はいくつもの出会いと別れを経験してきた。
…それはボクら2人にもいつか起こることだ。
ボクとしては研究はほとんど終えているし、師匠から出された課題も済ませた。死ぬことは全く怖いことではなかった。むしろテイワットを壊してしまいかねないモノに成らずに終えられるならそれで構わない。
756