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    雨宮。

    こちらはワンドロ(五伏)とネタ置き場となります。ご覧下されば幸いです。

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    雨宮。

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    五伏ワンドロワンライ延長戦のお題 第20回 告白。
    を書かせて頂きました。初五伏でございます。
    拙い駄文ではございますが読んで下されば幸いです。

    #五伏版ワンドロワンライ延長戦

    第20回 お題 告白


    任務のない休日に五条のセーフハウスのひとつを恵はよく利用している。

    寮でもゆっくりできるのだけれど、本を一気読みしたい時に利用させてもらっているのだ。

    窓際の2人掛けのソファーに座り、陽だまりの中文庫本を読むこの幸せは言葉にならない。

    惠は本の質感と紙の匂いが好きだから触れているだけでも嬉しいのだ。

    ミネラルウオーターを飲みながら静かな部屋にページをめくる音だけが響く。このセーフハウスは1LDKでこじんまりしていて、居心地が良くて惠は好きだ。
    「めーぐー」
    いきなり五条が現れ恵の隣に座るので惠は吃驚して本を落としてしまう。
    「驚いちゃった?ごめん」
    「五条さん、あの、どうか普通に玄関からお願いします」
    バクバクする心臓を落ち着けながら惠は隣に座る五条を見るとにっこりと笑うのである。五条は飛べるのでこうして移動する事があるのは知っていたが、まさか自分のところに来るとは思っていなかった。
    「だってさめぐ、ここばかり来るじゃん」
    「五条さんの家はちょっと…」
    心底嫌そうな表情で惠はふるふると首を振る。
    「え…そんな嫌?」
    「広すぎて」
    理由が広すぎてと分かると五条は安心したように笑った。
    飾り気のない幼く見える笑顔を恵の前でしか見せないのは、『五条悟』というイメージを壊さないようにしているのかもしれない。その事に恵が気付いたのは高専に入学してからなのだ。
    「めぐおいで」
    ぽんぽんと自分の膝を叩き恵に座るように促す。いわゆる膝抱っこというもので子供や身体の小さな女の子ならまだしも、自分が?と惠は信じられない気持ちでいっぱいだった。
    「あの…意味が分かりません」
    「めぐは俺の恋人でしょ…まさか忘れたの?」
    五条の声音が低くなり惠はヤバいと思うのだが、五条といつ恋人同士になったのか正直思い出せないという方が正しいだろう。
    そんな事を考えていたら五条の逞しい腕が恵の身体を抱き寄せ、自然な流れで恵は五条の膝の上に座っているのだ。
    「忘れてるみたいだから教えてあげるね。めぐはね10歳の時から僕と付き合ってるよ」
    「え…?どういう…あ、もしかしてあれ…の事言ってるんですか?!アンタ」
    恵が思い出したのは10歳の時に何故か五条に告白をした事だ。
    圧倒的な強さからくる憧れから好きだと、思ったのかよく分からないけれど五条と一緒にいたいと思ったのは覚えている。
    「とても可愛い告白だった。忘れていたみたいだけど思い出した?」
    「あれは子供の頃の事で」
    「今も可愛い子供だろ?」
    そう言いながら五条は恵の文庫本をテーブルに置き恵の手を優しく握る。
    「俺もめぐが好きだよ」
    「え?」
    「めぐが小さい頃からね。ずっと好きだ」
    優しい声音でやわらかく手を握るから恵は五条から目が離せなくなってしまう。

    長年の付き合いから五条が嘘を言っているのかいないのか、分かってしまうからだ。

    それに五条に好きだと言われどうして頬や身体が熱くなってしまうのか。恋愛経験がなくてもこれが恋の症状な事ぐらい恵でも分かるのだ。
    他人から同じ事を言われても恵にこの症状は出ないだろう。

    ー五条悟だからだ。

    五条に嘘をつけるわけなくて…あの空のように美しい瞳は全てを見透してしまうから。
    「今のめぐはどう?俺が好きで…付き合ってる?」
    「あ…多分好き?かと思いますが、付き合ってるのは知らなかったです」
    「めぐらしいね。じゃあ今から正式に付き合おうか」
    「はい」
    恵がこくりと頷くと五条はサングラスを外して恵の瞳を覗きこむ。
    悪戯をしかけるようでいて、感情の揺らぎさえ見逃さないような視線だ。
    「大人な付き合いだよ?いろいろしちゃうんだよ…俺でいいの?」
    多分…この言葉は恵にとって最後の逃げ道かもしれない。けれどもその逃げ道を歩く自分を何故だか想像できないのだ。
    「望むところです。あとめぐと呼ぶのは止めて下さい」
    「えー可愛いのに」
    「幼女みたいで嫌なんですよ」
    「幼女!!」
    大真面目に答える恵に五条はブフォっと吹き出した。むうっとした表情で見る恵の頬を五条は優しく撫でると
    「可愛いねめぐ」
    心蕩かすような笑顔に甘い声で囁いたのだ。


    @AmemiyaRiku
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    DONE五伏ワンドロワンライ延長戦のお題 第20回 告白。
    を書かせて頂きました。初五伏でございます。
    拙い駄文ではございますが読んで下されば幸いです。
    第20回 お題 告白


    任務のない休日に五条のセーフハウスのひとつを恵はよく利用している。

    寮でもゆっくりできるのだけれど、本を一気読みしたい時に利用させてもらっているのだ。

    窓際の2人掛けのソファーに座り、陽だまりの中文庫本を読むこの幸せは言葉にならない。

    惠は本の質感と紙の匂いが好きだから触れているだけでも嬉しいのだ。

    ミネラルウオーターを飲みながら静かな部屋にページをめくる音だけが響く。このセーフハウスは1LDKでこじんまりしていて、居心地が良くて惠は好きだ。
    「めーぐー」
    いきなり五条が現れ恵の隣に座るので惠は吃驚して本を落としてしまう。
    「驚いちゃった?ごめん」
    「五条さん、あの、どうか普通に玄関からお願いします」
    バクバクする心臓を落ち着けながら惠は隣に座る五条を見るとにっこりと笑うのである。五条は飛べるのでこうして移動する事があるのは知っていたが、まさか自分のところに来るとは思っていなかった。
    「だってさめぐ、ここばかり来るじゃん」
    「五条さんの家はちょっと…」
    心底嫌そうな表情で惠はふるふると首を振る。
    「え…そんな嫌?」
    「広すぎて」
    理由が広すぎてと分かる 1743

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    寮でもゆっくりできるのだけれど、本を一気読みしたい時に利用させてもらっているのだ。

    窓際の2人掛けのソファーに座り、陽だまりの中文庫本を読むこの幸せは言葉にならない。

    惠は本の質感と紙の匂いが好きだから触れているだけでも嬉しいのだ。

    ミネラルウオーターを飲みながら静かな部屋にページをめくる音だけが響く。このセーフハウスは1LDKでこじんまりしていて、居心地が良くて惠は好きだ。
    「めーぐー」
    いきなり五条が現れ恵の隣に座るので惠は吃驚して本を落としてしまう。
    「驚いちゃった?ごめん」
    「五条さん、あの、どうか普通に玄関からお願いします」
    バクバクする心臓を落ち着けながら惠は隣に座る五条を見るとにっこりと笑うのである。五条は飛べるのでこうして移動する事があるのは知っていたが、まさか自分のところに来るとは思っていなかった。
    「だってさめぐ、ここばかり来るじゃん」
    「五条さんの家はちょっと…」
    心底嫌そうな表情で惠はふるふると首を振る。
    「え…そんな嫌?」
    「広すぎて」
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    「めーぐー」
    いきなり五条が現れ恵の隣に座るので惠は吃驚して本を落としてしまう。
    「驚いちゃった?ごめん」
    「五条さん、あの、どうか普通に玄関からお願いします」
    バクバクする心臓を落ち着けながら惠は隣に座る五条を見るとにっこりと笑うのである。五条は飛べるのでこうして移動する事があるのは知っていたが、まさか自分のところに来るとは思っていなかった。
    「だってさめぐ、ここばかり来るじゃん」
    「五条さんの家はちょっと…」
    心底嫌そうな表情で惠はふるふると首を振る。
    「え…そんな嫌?」
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