夏の日の そこになだらかな乳房があった。掌からこぼれ落ちそうな程のそれは、触れたら崩れてしまうような脆さを感じる。文句のつけようもない。乳房をありがたい丸み、と表現した作家がいたらしいが、確かにその通りだった。乳房はそういう存在であれば良いと思う。
しかし小ぶりな乳房も捨てがたい。掌に収まるサイズも良いし、小皿をひっくり返したような大きさのものにも慎ましさを感じられるのが魅力的だ。どんなものでも、そこに乳房があれば視線が吸い寄せられてしまう。皆守がカレーライスの匂いを嗅ぐと唾液が出るのと同じで、条件反射なのだ。ま、俺は胸なら何でもいいんだけど」
「どっからお前の台詞だ!!」
何故か叫ばれた。
夏の暑い日。海が一面に見える浜辺で、葉佩達は砂遊びに興じていた。興じる、と言っても半ば無理やり連れてこられた皆守がビーチで横たわってうとうとしているところを砂で固め、そこに乳房を強調した女体を形成しただけだ。
2483