.理鶯の寝床ではいつもBGMにラジオが流れている
左馬刻と銃兎が泊まりにきた夜も、すっかり寝入ってしまった二人の横で『中王区・言の葉党を徹底解剖!』などと安っぽいタイトルコールが流れていた 案の定目新しい情報はなかったが、しかしチャンネルを変える理由もなく耳を傾けていると、もう少しだけ音を絞れないかとすまなそうに口を開いたのは先程まで寝ていたはずの銃兎だった 元より眠りを妨げるほど大きな音ではなかったが、その通りにするとありがとうと言ってまたすぐに目を閉じる 翌朝、睡眠時は無音を好むタイプだったかと聞くとそういうわけでもないらしく、むしろ静まり返った森では多少仲間の気配が感じられた方が落ち着く、それに理鶯のスペースなんですから. 引き続き流してくれて構いませんよ とコーヒーを啜る
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