『 行かないでくれ』って言えない荒蛍
稲妻城下町、
一斗はいつものように棒飴を咥え街をブラブラと
散策していた。
目狩り令も廃止され、天領奉行も比較的は大人しくなり街には活気が溢れていて
屋台、温泉、着物屋...と賑わっていた。
一斗は何か面白いことはないかと、歩き回っていたが、橋に差し掛かるととある人物が見えた。
「よお蛍こんなとこで何してんだ」
大きな声で呼ばれた蛍は、わかりやすく肩をビクッと震わせて振り返った。
「一斗か...びっくりした。こんにちは」
「おうこんにちは...って浮かねぇ顔してんなぁなんかあったのか」
「あっ、ううん。大丈夫だよ」
と蛍は微笑むが、やはりどこか浮かない表情だった。そういえば、パイモンがいない事に気が付き、
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