お昼寝するミハルくんのジキミハ乙木家の玄関のチャイムを鳴らす。ピンポーン、という音が響く。
ミハルはここで人外の子孫たちとルームシェアをしている。いつでも遊びに来て良いよ、と言われていたのもあり、近くにきたから寄ってみることにしたのだ。
直前にミハルにLINEを送ったのだが返事はない。既読も付いていないので出掛けているのだろうか。まあいないならいないで問題はない。ここにいる人たちと話をするのも楽しみのひとつである。
少し待つとガチャリと扉が開く。
「おっ、ジキルやっけ?久しぶりやな」
出迎えてくれたのは関西弁の男、天狗のカンシさんだ。
「こんにちは。近くまで来たので遊びに来ました。ミハルくんはいますか?」
「おるんやけど、今部屋で昼寝しとるわ、まあええからええから、上がっていき」
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