七夕祭窓の外は当然のように降る雨。司は少しだけツマラナイ気持で窓辺に吊るされていたてるてる坊主を指で突付いた。
昨夜、レオと2人で作ったものだ。
「スオ〜きいてきいて!織姫と彦星が天の川で〜ってどうした?そんな顔して?」
スマートフォンで天気予報を見ていた司にレオは出来立ての新曲を披露すべく駆け寄ってきたのだが、司の眉間に刻まれた皺に気付き首を傾がせた。
1週間も前から天気予報では雨であると告げられていたが、それは前夜になっても変わることなく傘マークが並んでいる。朝から夜まで100%だ。
司がレオにスマートフォンの画面を見せるとレオは何だそんな事かと小さく笑った。
「楽しみにしていたんですけど……こればかりは仕方ありませんね」
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