アイドル俳優がコイキングと地方チャンピオンを目指す話 前書きとして。
私は! ポケモンに! 詳しくない!
ストーリー全然わからないし小ネタもわからん。タイプ相性すら曖昧。そんなんでパロディなんて恐れ多いから普段ならばりっばりにとことん調べてそれからいろいろと練り練りするのだがそこまでする気力がないので割愛させてくれ。ちなみに割愛というのは交尾中の蚕(一日だか二日だかかかる)を「長すぎるわゴルァ!」って途中で引き剥がすことだそうです。私も最近知った。
そしてさらに前置きなんですがコイキング一匹で地方チャンピオンは不可能ではないらしいです。探せば動画あるよ。それにしたってかなりキツいけど。とはいえ弱いの代名詞だった(今もそうだけど)コイキングですが、現在では「はねる」「たいあたり」「じたばた」のみならずアイテム使用で「とびはねる」「ハイドロポンプ」も覚えるようになりました。字面が強い。種族値も一応最弱じゃないしね。十分弱いけど。
で。
ここまで書いといて何ですけど、タイトルにある「俳優アイドル」ことレイはコイキング一匹でチャンピオンになろうとしないです。
いやだって手間かかりすぎじゃろ。レイは無駄を省く子なので…こだわりもないし…でも、こだわりがない分コイキングの「ギャラドスではなくコイキングでチャンピオンのスタメンにいたい!」っていう思いに答える世界線はありそうだなというのがこの長ったらしいらくがきの大筋になります。
うん?
無関心効率重視なレイが人間の言葉を話せないコイキングの思いを読み取れるのかだって?
知らん。
※これはフィクションです。
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とりあえずレイの説明から入ろうか。
レイは現役俳優の16歳男の子です。本名は天堂零。零と書いて「しずく」と読むのだが難しい話はここでは要らん、とりあえず彼はレイ君である。
常ににこにこしていて人当たりが良く察しも良い、頭の回転がめちゃくちゃ早い天才肌の天才。……なのだがそれが原因で己の感情すらも客観的に見てしまう子。だって全部ただの脳内化学反応だもの。つまり喜怒哀楽に対してまるで実感がない。でも笑顔でいないと、感情豊かでいないと皆から怖がられ怯えられてしまう。それはちょっと不便だな……そんなわけで常に笑顔、そして常に人当たりが良いのであります。
彼がポケモントレーナーとなるのは当然ながら「それを期待されたから」。俳優とアイドルを兼業しているレイがポケモン世界でポケモンを一匹もそばに置いていないというのは世間体的になかなか難しかろう。おそらく家にはポケモンがいるのだろうけれど彼が心を開くことはない。だって心がわからないもの。本人も困ってはいる。なんせ人間相手と違ってポケモンって本心が伝わっちゃうところあるし(※個人の見解です)誤魔化しが効かない。だからレイもどんなポケモンとも表向きしか仲良くできないし、ポケモンの方も偽物の喜怒哀楽しか持ってないレイに戸惑うんじゃなかろうか。
で、レイは自分のポケモンを探すことにする。もしかしたら番組か何かの企画で「トレーナー未経験の俳優アイドル、レイさんがチャンピオンに挑戦!」みたいなことになったのかもしれない。何にせよそこにレイの本心はないだろうな。
そしてやってきましたポケモン研究所。
……って普通はなるのかもだけど、レイが田舎に住んでるイメージがありません。ポケモン研究所ってなんか田舎の田舎にあるイメージじゃない? 家が点々としてるような小さな集落。レイはたぶん都会っ子だよ。田舎育ちならポケモンと触れ合って感情を感情として感じ取れるようになってる気がする。
じゃあ何だ、学校か? ポケモントレーナー学校みたいなのあったよね? でもそんなところに通うまでもなくレイはポケモンについて詳しいんじゃなかろうか。だって学校で学ぶのは知識でしょう? 知識ならちらっと見るだけで理解できるもん、レイは。
主人公補正がでかい?
そうなのです、彼は元々そういう子なのです。補正が強すぎるがゆえに人生楽勝、だから他の子と苦しみを分かち合うことができない。天才ゆえの孤独な子です。本人はそれが当然だと納得してるけど。
でもそういうことあるじゃろ? 自分の生き方、考え方、環境、そういう友情ではどうしようもない格差によって生じて、誰からも理解されないもの。もしくは「あーわかる、それ私もだよ」って易々と同意して欲しくないとても困難で複雑な、自分だけの苦しみ。レイが背負っているのはそういうやつです。別に珍しいものでもない、ファンタジーofファンタジーってわけでもない。
話を戻すと、たぶんレイはモンスターボール買ってそこらへんの草むら入って罠張ってポケモンを(物理的に)弱らせてからボール投げて捕まえる。ハンターかな? そこらへんにいるポケモン全種捕まえてそう。でもそんなことしてまで捕まえてもなあ、みたいな感じで途中で虚しくなって全ポケモン逃しちゃう。もしくは他の子にあげちゃう。自分でも何でポケモンが欲しいのかわからない。番組企画のため? 寂しくて? 他の子が持ってるから? どれもどうにもしっくりこない。自分の感情起伏に鈍感なだけで感情そのものはあるんだよねレイは。だから自分の本心に気付くのは他の人より遅いです。
捕まえるのがどうにも、って言ったレイに「じゃあ買うのは?」って助言した人がどこかにいる。そしてそれはきっとそこらへんの道端で知り合った背の高い二つ年上の男の子なのだよ。はがねタイプやいわタイプやロボットアニメが好きだというのに持ちポケは未進化虫タイプとか性格が気弱なポケモンばかりな子。
「世の中にはポケモンを買うのはどうなんだって声もあるけどさ、傷付けるではなく捕まえるではなく、ひとりぼっちの子を買うって手段だからこそその子を大切にできる人も世の中にはいると思うんだよ」って腕の中のキャタピーを撫でながら言うんだろ? 私は知っている。この子はトキワの森の虫取り少年程度の実力しかないけど手持ちはなつき最終進化含めいろんなポケモンでいっぱいなんだ。私は知っている。そしてどのポケモンもすすんでその子の持ちポケになった子なんだ。だからこの男の子はバトルが強くない。仕方がない、そういう子だ。私は知っている。
そう、なぜなら。
この子は後にレイとアイドルユニットを組むのだからな!!!!!(でかボイス)
紹介しよう、彼こそがナズナ、本名谷川夏那である。夏那と書いて「なづな」と読むのだがそのあたりの詳しい話はパロディではない本編を読んでくれ。心の声が賑やかな陰キャだ、今やほぼ「自称陰キャ」になりつつあるが。
そうしてナズナさんに助言を受けたレイは「買う」という手段を試みるのである。
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ポケモンを買う、というと何を思い出すか。
カジノで高値で売られているポリゴンだろうか? 答えはノーである。
そう。
コイキング!!!!!
満を辞してここでコイキングの登場である。イェーイヒューヒュー!!!
皆さんご存知だろうか。コイキングとは水辺で「つりざお」を使うことで釣ることのできるポケモンである。だがしかしこのつりざお、手に入れるまで少々時間がかかる(剣盾はすぐに使えてビビった)。昔のゲームでは水中のポケモンを手に入れるまでが長いのだ。
そして!!!
どの世界にもいる!!!
ぼったくり!!!
初代とかでつりざおを手に入れることのできる段階より先に登場するおっさんがぼったくりマンなのだ。なんと彼、その後無料でばかばか釣れるコイキングを500円で売ってくるのである。
たったの500円、と思われるかもしれないが、冒険の序盤での500円はけっこうでかい。序盤の野良トレーナーは勝っても100円もくれない。序盤はモンスターボールを買うために節約せねばならんトレーナーがほとんどだ。
レイはこれを買うのである。
よく考えてみろ、レイは現役俳優である。売れっ子じゃないにしろ500円は安い。どんなにコイキングの原価が安かろうが、レイには大したことじゃない。
何よりレイにとっては「ポケモンを買う」ことが一番の目的なのである。
コイキングにとってはびっくり仰天である。だってレイはコイキングにがっかりしない(元々どういうポケモンか知ってる)。強制的に経験値を積ませようとしない(コイキングはレベル20でギャラドスになり、これがなかなかに強い。が、レイにとってはどうでも良い)。
何より。
偶然釣ったではなく。
自分を見て。
自分だからこそと金を出して。
買ってくれたのである。
びっくりコイキングである。こんな持ち主いるのか? ていうか何で自分買ったの? あらゆる人に最弱と言われ、図鑑にさえ最弱と言われ、見た目の良さだけを求めて釣りオヤジに釣られまくり、すばやさの努力値を上げるためにガチトレーナーに釣られバトルされ即座に瀕死に追い込まれるようなポケモンである。ちなみにオスとメスではヒゲの色が違うらしい。色違いは全身金ピカである。さらにちなみに、アイドロイドは知らんがあいぽんのアプリゲーにコイキングを育てて彼らが跳ねる高さを競う公式ゲームがある。跳ねるしかない、まさにそれがコイキングなのかもしれない(※個人の見解です)。
そんなこんなでレイの元にやってきたコイキングはやがて、レイが地方チャンピオンに挑戦しなければならないことを知る。どうやって? 知らん。何かこう、何かあったんじゃろ。
レイはたぶんその頭の良さと人の良さからチャンピオンを期待されると思うんだ。なんかポケモン界ってジムリーダーやチャンピオンが街を取り仕切ってる感あるよね。レイもそういう、政治家みたいなことを期待されるんだと思う。レイもそれ以外にしたいこともないし断る理由もないから引き受ける。ただ、やる気はない。やりがいもない。ポケモンの気持ちはわからないしバトルの楽しさもわからないし、何より自分の気持ちがわからない。
空虚なレイを見てコイキングははたと気が付く。
「もし自分がチャンピオンのポケモンになりたいと言ったら、彼はそれを理由にチャンピオンを目指せるのではないか?」
……ちょっと書いてて思うけどこのコイキング察しが良すぎるな。お前本当にコイキングか? コイキングに転生したウン百年前の伝説のチャンピオン(伝説のポケモンとも仲が良い)か??
コイキングに転生した伝説トレーナーと訳あり新人トレーナーのたきのぼりならぬ成り上がりストーリーも面白そうだけどここでの出番はない。話を戻す。
コイキングはじたばたと自分の思いを伝えた……かはわからんがレイはコイキングと共にチャンピオンへの道を歩き出す。たぶんそこらへんはナズナが手助けしてあげてる。翻訳とか(翻訳?)。
コイキングのため、レイはコイキングを主力に地方チャンピオンを目指すのだ――……!!!
ちょっと何言ってるのかわからない。
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ここまで書いてて気付いたんだけどまだ冒頭しか書けてないじゃん。まあとにかくこんな感じです。実質的な最初のポケモンは御三家ではなくコイキングだったレイなのでした。
その後コイキングを生かすためのパーティー作りをガチでするんだと思う。特性すいすいを生かすために雨を降らせる子……バトンタッチで能力上昇をコイキングに引き継ぐ子……あと何だ、わからん。何はともあれレイとコイキングが一生懸命だから他のポケモン達も理解して納得して、サポートとしてバトルに参加してくれるんだと思う。そこらへんはなんか良さげなストーリーがあると良いですね。
そういえばコイキングがギャラドスにならないのは「コイキングの自分を買ってくれたのだからコイキングのままが良いに違いない!」というコイキングなりの気配りです(翻訳:ナズナさん)。ギャラドスになった方が何かと早いと思うけどね。そしてレイもギャラドスにこだわる理由がないから「わかった、良いよ」って引き受けちゃう。そこからはレイの頭脳が発揮されるんだと思います。私にはその頭脳がないから詳細が書けん。
そうして普通ではないバトルを考えていくうちにレイにもやりがいが見えてくるんじゃなかろうか。誰かのために困難なことをするという手応えというか、レイだからこそそれを「楽しめる」という天才の境地というか。レイがいるのはゲームのポケモン世界ではなく3Dな生身のポケモン世界だから、強い弱いの環境こそあれアニメのポケモンくらいの可能性はあると思うの。ピカチュウの電気技にイワークがやられたりさ(※本来、タイプ相性的にイワークは電気技を無効化する)、「よけろ!」って指示したら相手の攻撃を避けてくれたりさ(※そんな技は存在しない)。「はねる」を攻撃の回避技として使ってコンボで「とびはねる」に繋げて1ターン内で相手をぶん殴るコイキングはいる。反則的。
そうして進化キャンセルを繰り返しながらコイキングと他の子達と一緒に冒険して、チャンピオンロード行って、「コイキングとかww」って馬鹿にしてくるトレーナーをコイキングでこてんぱんにして、そうしてチャンピオンの前まで行って欲しい。いや行って欲しいけど四天王で敗れるのもアリ。それでもレイは「じゃあ次、行こうか」って言うんだ。勝っても負けても「じゃあ次、行こうか」って言うんだ。コイキングを責めることもサポートポケモンを責めることも自分を責めることもない。相手トレーナーへ怒りをぶつけることもない。でも再戦する時は手法をガラリと変えてくる。コイキングにどんだけの戦法用意してんの? ってくらい多彩にやる。負けず嫌いでもなく、義務でもなく、レイにとってはそれが普通。そしてそれがレイの強さ。悔しがり這い上がる主人公とは全然違うタイプの強さ。天才ならではの、天才だからこそできる、レイだけの強さ。
そこで四天王にチャンピオンになれないにしろ実力は認められてくれたらな〜という妄想。後の四天王の一人になるのでも良い。その時コイキングを使うかは知らんけど、何タイプのトレーナーとかではなく全タイプを巧みに使って挑戦者を苦しめて欲しい。
そしていつかどこかでさ、進化キャンセルが効かなくてコイキングがギャラドスになっちゃって「あわわ……」って焦る元コイキングに呆然として、それからふわりと笑って、
「……立派になったね」
って抱き締めてあげるレイがいるって信じてる。
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そういえばパロディじゃない本編のレイってナズナさんがいたからアイドルになるんだけど、パロディのレイはナズナさんに会う前からアイドル兼業なの? いつナズナさんとユニット組むの?
……組まなくて良くね?
完!!!!