旧友悪友、または先輩後輩「よぉ、デイヴィス」
声をかけるなり隣に座った旧友に、デイヴィス・クルーウェルは大きく舌打ちした。
「どうした? デヴィ?」
ニマニマとこちらを覗き込む顔に一発入れてやりたいが、この場所でそんな事をしたら出禁だ。お気に入りのバーであるだけに、こんな奴の為にマスターのお酒が飲めなくなるのは実に勿体無い。大きく息を吐いて、ウンザリと眉を顰めて振り向いた。
「何の用だ。ルーカス」
言外に、下らない用事だったら鞭の餌食にしてくれると語る物騒に顔にも動じず、ルーカス・ワァーラーは素知らぬ顔でマスターに注文する。
「モヒートを一つ」
「お前、そんな可愛いのを飲む柄だったか?」
学生時代からの腐れ縁というのは厄介だ。性格の変えようがない部分を余すところなく知られている。
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