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    615oresama_godf

    @615oresama_godf

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    615oresama_godf

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    サタスペもしもの話

    黄の口調とか思考回路とか諸々わからんくて描写めっちゃ削った
    ふんわりで読んで欲しい

    あの子がまだ生きてたのなら少女は、血止まりの中で呆然と上を見上げていた。彼女は自分の両親の血に塗れて、両親を殺した男を見つめていた。
    男は、少女に手を伸ばす。そして――。
    これは、少女がマグダラにも、阿部ウェザーフィールドコンボイ瑞貴にもならなかった物語。

    扉越しに聞こえてくるのは、女の啜り泣く声と、それに混じる嬌声。男たちの欲を孕んだ息遣い。
    それらを聞きながら、それらが途切れぬために、彼女は扉を背にして座り込み、手元の青龍刀の汚れを拭き取っていた。
    これが彼女のここ最近の日常であり、退屈と嫌悪を感じる苦痛な時間だった。

    彼女は、両親が殺された夜、男に、黄によって連れ去られ、その日から彼によって育てられた。彼に服従し、決して反抗など出来ぬよう、徹底的に教育されたのだ。

    しばらくして、扉が僅かに開かれる。
    顔を出したのは、黄だった。彼は、目線だけで命令する。『来い』と。
    手元の作業を止め、部屋に入る。予想通り部屋の中には汚物まみれになって転がる女と、醜悪な肉塊がいた。
    一歩、足を進めるごとに一枚衣服を取り払う。
    ハラハラと布を落としていく彼女は、肉塊の元にたどり着く頃には裸体を晒していた。
    そうして、いつも通り、彼女は吐き気と嫌悪しか感じられない肉塊へと、身を委ねるのだった。

    ぼやける視界が捉えたのは、見慣れた天井だった。彼女は先程までの記憶を、痛みによってはっきりとしない思考で手繰り寄せた。
    そうだ、突然、亜侠によって襲撃を受けた。それで、自分は負けたのだった。
    体は僅かに動かすのも億劫なほどボロボロで、戦いの行く末を確認するために、彼女は首だけを横に動かした。
    その先には、黄が、亜侠の青年によってトドメを刺される寸前の光景があった。

    パッと血が舞う。そして、致命傷を負った体はそのまま倒れ伏した。
    「…なぜ」
    呆然と、呟く。

    彼女は、恨んでいた。憎んでいた。いつか殺してやりたいと、思っていた。

    はずだろうと、思っていた。

    黄の目の前には、己を庇って倒れる、彼女の姿があった。

    「君は、」
    続きの言葉は、血に濡れた彼女の手が頬に添えられたことで止められた。
    「あの日、あなたはわたくしの全てを奪いました。」
    ゴボリという水音混じりの微かな声で彼女は言う。
    「ならば尚更、どうして庇った…!」
    心底分からない、と混乱する彼を、焦点の合わない目で見つめて、彼女は言った。
    「わたくしは、あの日から、あなたに全てを奪われたままなのです。」
    それを最期に、彼女は途絶えた。
    微笑みを浮かべた、満足気な顔で。

    これは、少女がマグダラにも、阿部ウェザーフィールドコンボイ瑞貴にもならなかった物語。
    そして、彼女が彼を愛したお話。
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