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    nameko135

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    ご飯を食べる納占。毎日納占15日目。

    ごはんを食べようその15少し弾力のあるふわふわしたマグカップケーキは以前作った蒸しパンにも似ている。
    甘い味がふわりと口に広がって、少ししてココアの苦味が追いかけてきた。後味はまた甘く戻り、ちょうどいい甘さと苦味のバランスにほんのりと笑顔になる。
    五分程度で作ったにしては充分美味しい、いい出来だった。
    「イソップくん、美味しい?」
    「はい」
    「私のと一口交換しない?」
    「最初からそのつもりだったでしょ」
    「ふふ、バレた?」
    ココア味のマグカップケーキを一口切り分けてイライのマグカップに……と思ったところで、イソップは差し出されたフォークに気付いた。
    フォークの先端にはノーマルな味のマグカップケーキが一口分、刺さっている。
    「イソップくん?」
    「あ、あの……その、」
    イソップの顔に熱が集まる。きっとイライに他意はない。洗い物が増えるとか、手間が増えるとかそういう理由のはずだ。
    イソップはイライを好きで、愛しているけれど、恋人ではないので食べ物を手ずから食べさせ合うような、まるで給餌行動のようなことを「そう」と自覚してすることはない。
    「勘違い、しそうになるから、やめて……」
    しどろもどろになりながらそう言うと、イライは目をゆっくりと瞬いた。
    少し厚い唇から目が離せない。
    激しくなる心臓の音が苦しいとさえ思った。
    ハンターの心音ですらこんなに激しいことはないだろう。
    「勘違い、してほしくてしてるって言ったら……?」
    「え」
    イライの、群青の目がゆるりと細まる。
    戸惑うイソップに、イライがフォークを差し出してくる。これは、口を開けないと引き下がりそうにない。そういう雰囲気だった。
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