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    mmmuutoo

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    はらほんオタクがラジオ聞いてる勢いだけの話。五伊地なのかもしれない。オタクにはなにも分からない……。

    「匂わせ」禁止「おかーさん! 今日ラジオの日だから絶対部屋来ないでね‼ 深夜二時までは起きてるけど終わったら絶対に部屋の電気自分で消すから‼ 邪魔しないでよ⁈」
    「あんたこの前それで朝まで起きてたじゃないの。電気は絶対消しなね。もったいないんだから」
     分かった分かった! ってかぶせるように返事して、部屋に駆け込んでアプリを起動する。登録ずみのラジオ番組。生放送スタートまであと3、2、1……っきゃー‼ 始まった! 祓ったれ本舗のラジオ‼ これを聞くために毎日部活と勉強頑張ってんだから! 明日の学校なんてもうどうでもいいからとにかくあますことなく聞く‼ あれ……? さ、悟の声がしない……⁈
    『はーい、ってことで、悟はインフルでお休み~。私だけだと寂しいから、特別ゲストを呼んだよ! カモン!』
    『い、伊地知です。祓ったれ本舗のマネージャーをしております……えっと、半年前のラジオに一度出させてもらって以来です』
    「い、い、いじっちゃん‼ ええー! 久々! コメントいれよ」
     大本命の悟がいないのは寂しいけど、インフルは仕方ない。来週ショーレースあるからある意味今かかっててラッキーってことにしとこ。いじっちゃんお久~っと。
    『お、伊地知の認知度なかなか高いね~』
    『私が五条さんの代打というのは非常に荷が重いですが……ありがとうございます。頑張ります』
     悟、最近いじっちゃんとの写真よく上げてるの可愛いんだよな。隠し撮りっぽいのとか素の顔が表情豊かで可愛い。
    『そういや伊地知もちょい前にインフルなっちゃってたんだよね』
    『はい、流行ってるみたいなので皆さんも気を付けてください』
    『私は絶対うつらない自信あるけどね』
    『ええ。なんでですか?』
    『距離感覚の違いだよ』
    『全然分かりません……』
     傑がニヤニヤした声で小難しいことを言って、いじっちゃんが難解な顔してるのが目に浮かぶ。傑と悟よりもいじっちゃんのが年下って聞いた時はびっくりしたけど、いじられ愛されキャラで、天然っぽいのが可愛い。いじっちゃんのこと好きな人多いんじゃないかな~って思う。顔面国宝の悟はかっこいいし可愛いしイケボだしきゅんきゅんする。最推し。だけど、いじっちゃんは無害な癒し枠って感じで大好き。
     うーんいつもの祓本二人のラジオは勢いもテンポも気持ちよくて好きだけど、今日のこのまったりした雰囲気のラジオもめちゃめちゃいいな。祓本とマネ伊の三人で定期的にラジオやってほしい。
    『オープニングトークさ、インフル三日目の悟と電話繋げてみよっか』
    『ええ、大丈夫ですかね』
    『ほら、伊地知の携帯に線繋ぐから悟に電話かけてみて』
    『ええ……寝てる時に電話したら怒られそうなんですけど……』
     出たー! 傑の無茶ぶり! 悟ならスルーしたり面白く調理して返すんだろうけど、いじっちゃんにそれは無理だよ傑! コメント入れよ。もっと優しくしてあげてー!
     あ、電話繋がった!
    『ん……伊地知……?』
     わ……!!! 悟の掠れ声……! エロすぎる。インフルエンザありがとう。
    『ね、寝てましたよね……? すみません』
    『だいじょぶ。ねえ、ポカリと甘いもん買って帰ってきて』
     ……ん??????
    『はいはいはーい! 悟ぅ元気?』
     ちょっと待って傑ちょっと今は入って来ないで!!!! 好きだけど今じゃない!!!
    『あ? 今収録中……?』
     ねえねえねえねえ!!! 買って「帰ってきて」って言ったよね????? 一緒に住んでるの???? ねえ、そこ詳しく……!
    『そうそう。伊地知がゲスト出演だよ。悟がいなくて寂しがってるリスナーに一言!』
    『あー……アドバイスだけどインフル回復期でも濃密な接触はしない方がいいってことと……あー。みんな伊地知をいじめないでね』
    『五条さん……⁈』
     悟さん????? 「濃密な」接触ってなに?????? ふいに五伊地営業するのやめてくれない??? いや、同棲匂わせしてる時点で営業じゃなくて事実なの……???? 今のはビジネストークだとしても、さっきのは寝起きで素で言った感じしたけど????  どえらく甘ぁい声じゃなかった???? だから傑が誤魔化しに割って入ったんじゃないの????
     祓本オタクとして、BLも嗜んでる女として、悟にちょっぴりガチ恋してる身として、混乱と絶望と興奮が入り混じって頭がどうにかなりそう。でもどこぞの女優とかモデルとの熱愛とかよりは断然いじっちゃんがいい。いじっちゃんなら許せる。いやでも悟に特定の相手がいるのつらいな。コメント、母音しか打てねぇよ悟。
    『あーあーコメントが阿鼻叫喚だけど』
    『なんで』
    『わ……コメントの数が……とにかく五条さん、もうお休みください』
    『ねえ。僕の出演時間削ろうとすんなよ。そもそも、インフルで寝込んでるのに電話してきたのお前だろーが』
    『すみません……今度お取り寄せスイーツが届きますから……』
    『悟が一番伊地知をいじめてるじゃないか。伊地知、今日はいいお店で反省会しよっか』
    『あー! 僕がインフルで行けないのに二人で反省会とかひどくない⁈』
    『悟も今度いいお店連れてってあげるから嫉妬しないで』
    『いいお店くらい僕一人で行けますけどぉ』
    『あ、コメント多すぎて止まりました』
    『わー。てっぺん回ってるのにみんな元気過ぎでしょ』
     なんかいつものやりとりに戻ってきてるけど心臓がバクバクして止まらない。自分のアカウント更新する手とコメント打つ手が止まらない。ねえ傑。夏伊地と夏五にシフトしようとするのやめてもらっていい???
    『でもま、最初のコーナーいくから悟はゆっくりしときな。あ、みんなコメント復活してるからね。ありがと』
    『いやいやいや話戻して。二人で反省会するなら僕もリモートで参加す『はーいお大事にー!』
    『き、切っちゃったんですか⁈ 怒られるの私なんですけど……っ』
    『悟ってしつこいところあるもんねー。あはははコメントで伊地知をいじめるなってきてる。私達のマネージャーは愛されてるね~』
     そりゃそうだよ傑。SNSでしか知らないけどさ、あんたらの仕事の調整だけじゃなくて衣装のボタン付けやら裾上げやら大量のお菓子の調達やら時々ちょっと手ブレしちゃってるSNS用の二人の横顔の写真、動画撮影やら、いじっちゃんは各方面に気を回してくれてんだから祓本ファンはみんなめっちゃ好きなんだっての。動画の編集技術が最近上がってきてて寂しいくらいなんだから。
     このあとも夏油&伊地知の祓本ラジオはまったり楽し気に続いたんだけども、伊地知ガチ勢の過激なコメントが入りまくってブロックされてたり、いじっちゃんと傑の反省会に思いを馳せたり、いじっちゃんがポカリ買って帰る先はどこなのかって悶々としたり。私は結局また、朝まで眠ることができなかった。
     朝階段降りたら案の定お怒りのマイマザー。
    「あんたまた朝まで電気つけっぱなしだったじゃん」
    「推しの匂わせがひどくて失恋じゃんって思って死んでたんだけど、そのお相手のことも大好きだから誰を憎めばいいのか分かんなくて情緒がめちゃくちゃで寝るどころじゃなかったってわけ」
    「意味わかんないこと言ってないでさっさとご飯食べなさい」
     娘が失恋したかもなのに冷たいな。はー……とりまSNS巡回しよ。
    「……っひ!」
    「は⁈ なに⁈ どうした⁈」
     スマホの画面にすいっと指を滑らせると目に入ったのは悟がアップした写真。冷えピタ貼ってるあざと顔面国宝の奥。ピンボケして写ってるポカリとティラミスらしき物体。しかもティラミスは二つ。いや、悟は二つくらい食べるよな。甘党だから。いや、でもさ。でも、これを買ったのは誰なの??? 悟は寝込んでるんだよね????? 二人で食べるために買ったの??? もうこの情緒はどうすればいいの????
    ハテナと疑問がいっぱいで、もうなにを信じればいいのか分からない。はーオタクって楽しいなあ!!
     ……急上昇急下降する気持ちのやり場がなくて、スマホをぶん投げてしまったのは私です。


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    mmmuutoo

    DOODLE五伊地前提の七→伊の話。
    引き返せなくなった七と、辛辣な伊。
    未遂の罪


     真面目で素直、甘え下手で意外と頑固。私の中での伊地知くんはそういう認識の後輩だ。そう。唯一の、可愛い後輩であった。そんな彼とは、呪術界を去ってからは意図的に連絡は取っていなかった。こちらの自己都合であるのに連絡をとって相手に気を使わせるのに申し訳なく思っていた、というだけでなく、あの業界に後ろ髪を引かれたくなかったのだ。
    しかしこの度、私は呪術師という恐ろしく旧態依然としている業界に出戻ろうとしている。それに際して事務手続きを行うための電話が鳴り響いた。呪術高専からの着信ではなく、よくよく知った個人名が表示された画面。見覚えのありすぎる五文字。勝手に心拍数が上がった。電話に出た声は上擦っていないだろうか。そんな私の心配をよそに、電話越しの伊地知くんの声は淡々として落ち着いていた。社交辞令を挟みつつも、無駄なく、よどみなく出てくる必要書類の案内。久しぶりの先輩とのやりとりに懐かしさを感じているというよりは、ピリ、とした緊張感を醸し出していた。その様子に、ああ、彼は大人になってしまったのだなと寂寥さえ込み上げてしまう。
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